小林さんは、稲作の農繁期以外に栽培管理できる作物として、クリ800本を栽培していた。しかし、防除などの管理作業や収穫にも大変な労力がかかるため、別の作物の栽培を検討。クリ栽培に替わり、小林さんが栽培しようと思いついた作物がフキだった。
 フキは、1年に2度収穫できる山菜だ。早春にはフキノトウ、田植え作業を終えてからは茎を収穫できるとあって、小林さんには絶好の作物。しかし、せっかく植えたクリの木を切るのはいつでもできると思い、また、クリの木の葉を腐葉土に活用できるのではないかと考え、伐採せずに栽培を始めた。

  「栽培のノウハウをアドバイスしてくれる知り合いもなく、すべて手探りの状態からのスタートでした」と話す小林さん。収量を安定させようと、ポットや畑での栽培などいろいろな条件の下で試行錯誤を重ねた結果、自然環境と上手に調和している自生地栽培が最良の方法と考えている。
  「もともと自生していたものを増やしただけで、全てが我流です」と話す小林さんは、特段、品種を選んで栽培しているわけではない。
  「面白いもので、去年たくさん採れた場所が、今年も採れるとは限らないんだよ」と話す小林さんは、「これからもいろいろなことを試し、もっとフキのことを分かるようになりたい」と意欲を見せる。
(稲垣達哉)

フキを自生地で増殖 自然流栽培

市場から引き合い

パック詰めされたフキノトウを手にする
小林さん。収穫は妻のレイ子さんと行う

長岡市

小林保さん

にいがた版からの

農業共済新聞

  「フキという漢字は『蕗』と書き、字のとおり道に生えている草なんだよ」と話す長岡市寺泊引岡の小林保さん(63)は、所有する山2fで20年ほど前から、フキの自生地栽培を行っている。昨年は、フキノトウ50c入りを1万パックと、1束350cのフキの茎5千束を市場に出荷。市場からは「もう少し出荷量を増やせないか」と引き合いがあり、市場の評価も高い。


2010年3月2週号掲載