にいがた版 7月1週号

農業共済新聞にいがた版

スマート農業技術の実演見学会

上越市

上越市板倉区の圃場で、先ごろ、「スマート農業技術」の実演見学会が開催され、自治体の農政担当者や生産者など約120人が見学に訪れた。同見学会では、GPS(衛星利用測位システム)を活用し自動で直進をキープして走行する田植機や、スマートフォンやタブレット端末から水田への給水を遠隔管理できる多機能型自動給水栓など、最先端の技術が披露された。

(7-1)トップ「武藤健一」

田植機に乗り自動走行をアピ
ールする髙鳥農林水産副大臣

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「多機能型自動給水
栓は、モバイル端末
から遠隔操作が可能
です」と積水化学工
業株式会社の担当者

県内で、上越市と新潟市が農研機構から採択されている農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」。農業者の高齢化や担い手不足が深刻化する中、スマート農業技術の導入によって収量・品質の安定化や、生産コストの削減などの効果実証を行うことを目的として実施されている。
同プロジェクトは上越市や県、えちご上越農協、関川水系土地改良区、農機メーカーなどが参画した「上越市スマート農業プロジェクト委員会」が、「農事組合法人高野生産組合」の圃場約23㌶で実施する。期間は2年間で、本年度の事業費は4529万円。
見学会では、田植機や給水栓を実際に稼働して説明が行われた。
田植機はGPSを活用した自動操舵〈そうだ〉による直進走行が可能で、初心者でも苗列の間隔(条間)を一定に保つことができるため、生育のばらつきが抑えられる。同見学会に急きょ駆けつけた髙鳥修一農林水産副大臣は、自ら田植機に乗り込み実演し、手を上げて自動操舵であることをアピールしていた。
給水栓は、自宅パソコンやスマートフォンなどのモバイル端末から、遠隔操作で給水栓の制御・管理が可能。水田への給水開始時刻、給水時間、周期、バルブの開度などを自由に設定できる。これまでのように水田へ何度も行かずに済むため、水管理に要する労力の大幅低減が期待される。
上越市農林水産部農政課の太田貫治副課長は、「上越市では大区画圃場整備が進められており、この実証によって大区画圃場とスマート農業技術の組み合わせの有効性を確認したい。実証効果が認められたら全国に広く発信していくが、まずは、上越市農業の生産力と競争力を向上するための一助となることを期待している」と話す。
今後、同委員会ではマルチローター(ドローン、小型無人機)による農薬散布の実証など、数回程度事業公開を行う予定だ。
(武藤健一)