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教員から親元就農(2025年11月3週号)

「サトイモ収穫後に細かい根を取り除く作業の力加減なども、何度も聞いて練習しました」と山川さん

 「いずれ農家を継ごうと思っていましたが、両親が元気なうちに作業方法や経営を習得しようと思って就農しました」と話すのは、山川敏幸さん(36)。田上町原ケ崎新田で代々農業を続ける「山川仙六農園」で両親、祖母と共に水稲8㌶と果樹20㌃、野菜30㌃を栽培するほか、竹林70㌃でタケノコを栽培している。さらに、梅干しや漬物などの加工品も手がける。

 以前は高校の農業科目の教員だったが、2020年4月に親元就農。教員時代と異なる知識が必要とされる中、スケジュールや作業手順などの情報が残っていないことで苦労したという。「3年前に祖母が入院した時、ナス漬けの作り方を誰も知らなかったので、何度も電話して確認するのが大変でした。聞いたやり方でも祖母の作る味にはならず、1カ月くらい試行錯誤を重ねて、ようやく近づけたかなと思います」と振り返る。

 この経験から、誰かが作業できなくなってもすぐに代わりができる体制づくりの必要性を感じた山川さん。家族4人がそれぞれ作業していても、進捗(しんちょく)状況や問題点などを共有する機会を少しずつ増やしているという。

 また、作業できる人数が減少しても農業を続けられるよう、栽培体系の見直しを進めている。「使用頻度の高い畝立機(作業機)で効率良く作業できる品目や作業方法を主軸にしようと考えています。ゆくゆくは効率的な農作業のモデルとなることを目指しています」と展望を話す。

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