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今春に新規就農 シャインを軸に(2025年12月1週号)

 「経験も知識もゼロ。農業を始めるには全てが手探りだったので、JAの就農研修制度を見た時は、これだと思いました」と話すのは、本間千鶴さん(30)。佐渡市新穂・畑野地区でブドウ「シャインマスカット」17㌃、サツマイモ0.5㌃、切り花1.5㌃を栽培する「とんちぼ農園」を営む。3年間の就農研修を修了し、今年の春に新規就農したばかりの若手農業者だ。

シャインマスカットのハウスで「SNSへの投稿は自分自身のモチベーションの向上にもつながります」と話す本間さん
サツマイモは干し芋に加工して販売

◎就農研修制度で生産から販売学ぶ

 JA佐渡では、2021年から就農研修制度を設けており、同JAの契約職員として給与を支給されながら、地元の農業法人などで農業研修ができるという特徴がある。実践的な農業知識や技術を学ぶ仕組みとなっており、経営や販売ノウハウも身に付けることが可能だ。

 一般企業に勤めていた本間さん。女性一人でも独立可能な事業を始めたいと思い立ち、生産から販売までの工程に身を置ける農業者になることを目標に決め、同JAの就農研修に参加した。

◎農地の斡旋/師匠が手助け

 研修では、希望の栽培品目を考慮して研修先を選定してもらえるため、以前から興味があったシャインマスカットの栽培を学んだ。

 研修先の農業法人の師匠である安田清一さんとは今でも交流が続いており「研修が始まってすぐに師匠が農地を斡旋(あっせん)してくれて、独立に向けて農地を探すのが不安だったので、本当に感謝しています」と笑顔で話す。

 さまざまな人からサポートを受け、自分は恵まれていると感じた本間さん。「農業には技術も当然重要ですけど、何より、人や地域との交流がないと解決できない課題があると思います。この研修で得た経験は、何より財産となりました」と感謝の気持ちを話す。

 独立して農業を継続していくのは一筋縄ではいかないと思い、まずは自分という人間が佐渡で農業をしていることを広く知ってもらおうと、写真共有アプリ「インスタグラム」などの交流サイト(SNS)を始めた。

 本間さんは「とんちぼ農園の存在をもっと広めていきたいです。私の栽培する農産物をたくさんの人に届けられるよう、日々全力で取り組んでいきます」と意気込みを話している。

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