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にいがた版  2016年3月4週号

ハウスでチューリップのボックス栽培

温度管理に細心の注意 魚沼市 佐藤 小右エ門さん

 冬期間にハウス内でチューリップのボックス栽培を行っている魚沼市舟山の佐藤小右エ門さん(66)。チューリップは、12月中旬から3月下旬まで出荷を行っている。佐藤さんが手掛ける栽培方法は、ハウス内での栽培期間が短く、ハウスの利用率が高いのが特徴だ。

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雪に囲まれたハウスの前で佐藤さん

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チューリップは蕾の状態で収穫作業を行う

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チューリップの生育を確認する佐藤さん

 「ハウスの周辺は雪がたくさんありますが、チューリップの出荷は最盛期ですよ」と笑顔で話す佐藤さん。チューリップはニュージーランド産とオランダ産の球根を使用し、26品種栽培している。
チューリップは一定期間、低温状態を保持しないと花が咲かないという特性がある。秋に球根を植え付け、冬期間は土中で低温状態にし、春に花を咲かせるのが一般的だ。
 しかし、佐藤さんはピートモス(園芸用土・土壌改良材)の入ったプラスチックボックスに、ニュージーランド産の球根を6月、オランダ産の球根を10月に植え付け、そのまま低温状態で冷蔵庫の中に保管する。その後、ニュージーランド産を11月中旬、オランダ産を12月下旬にボックスごと暖かいハウス内へ移動して栽培する。
 ハウス内で球根を直接土に植え付けて栽培する場合は、出荷まで約50日かかる。だが、ボックス栽培だと冷蔵庫内で球根から芽が出て成長するため、ハウス内に移動してから約30日で出荷が可能だ。また、収穫後はボックスを入れ替えるだけなので、数多く出荷することができる。
チューリップは蕾(つぼみ)の状態で出荷しなくてはならないため、温度管理には気を使うという佐藤さん。気温が約20度を超えると咲き始めるため、ハウス内の温度は12度から15度に保つよう徹底した温度管理を行っている。ハウス周辺の雪も温度調節に一役かっている。「雪は厄介ですが、温度調節には欠かせないですね」と佐藤さん。
 「ボックス栽培のおかげで、昨年度は約12万本を出荷しました。チューリップは人間と同じで、品種によって特性に違いがあります。それぞれの品種に合った栽培管理をするのが重要です」と話す。
(佐藤大将)

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