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にいがた版  2016年5月3週号

柿のジョイント栽培2年目
産地維持の切り札に

佐渡市 本間 廣吉さん

柿のジョイント栽培を手がけて今年で2年目となる佐渡市栗野江の本間廣吉さん(63)。作業の効率化を図り、生産規模拡大や生産者の活気につながればと、栽培に力を注いでいる。

 

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ジョイント栽培の柿の園地で本間さん

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柿の枝切り作業

ジョイント栽培とは、苗を1㍍間隔で定植し、隣接する木と結合させて、1列につなげる栽培方法だ。早期収穫ができ、低樹高で、従来のような脚立を使用した作業が無くなるため、事故の減少や、重労働の負担が軽減されるという利点がある。
また、規則的に並ぶ樹形のため、一定方向に作業をすることができ、労働時間の短縮など、効率的な栽培方法として注目されている。
本間さんがこの栽培方法を知ったのは、普及指導センターの指導会。興味を持ったが、当初、地域では普及していなかったこともあり、本当にうまくいくのか不安だった。しかし、「自分自身がジョイント栽培を実践し、広めることで、地域の柿栽培の減少を食い止められたら」との強い思いから、導入を決意。同センターから指導を受け、昨年、40本にジョイント栽培を導入した。
そのほか、早期成園化を図るため、40㌃300本の柿に、不織布でできたポットに入った苗をそのまま2㍍間隔で定植する「根域制限栽培」を一昨年から取り入れている。ジョイント栽培では収穫までおよそ5年かかるといわれているが、根域制限栽培を行うことで3年ほどで収穫できるようになるという。
「ジョイント栽培を普及させることで、新規生産者の増加や、生産規模の拡大が見込めるのではないかと考えています」と笑顔で話す本間さん。
同地域では、高齢化のため、園地を管理することが難しく、栽培面積を縮小したり、栽培自体をやめてしまったりする生産者が年々増加している。
本間さんは「佐渡でジョイント栽培を広めていくことで、柿の栽培面積を増加させ、農業生産者の活力が戻るきっかけとしたいですね」と意気込む。
(渡部奎奈)

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