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にいがた版  2016年5月4週号

「お布団農法」で田植え
手軽さが魅力

長岡市 地域活動支援センター「UNE(ウネ)」

障害者支援や高齢者の生きがいづくりを通じて地域活性化などに取り組む長岡市の地域活動支援センター「UNE(ウネ)」が、「お布団農法」による田植えを行った。この農法での田植えは今年で3年目となる。

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綿シートを手に家老理事

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綿シートを水田に敷くメンバー

UNEは2011年、長岡市栃尾地域の一之貝集落で、家老洋さん(58)を代表理事として発足。里山活性化の一環として、農作業に取り組んでいる。
UNEが取り入れている「お布団農法」とは、種籾(たねもみ)を入れた幅約1㍍、厚さ5㍉ほどの綿シートをローラーに巻き、水田に直接敷くという栽培方法だ。区画が小さな水田でも田植機を使用せずに簡単に田植えを行えるなど、栽培の手間を削減できるという利点がある。
綿シートを敷くことで雑草の成長を抑えられるため、除草剤の使用を控えることができる。
また、綿シートは保水効果があることから、水田に水を入れる時期をずらすことも可能だ。最終的には分解され土に戻るため、環境にもやさしい。
「作業条件の厳しい里山・棚田稲作に最適な方法です。広く普及すれば、高齢化で担い手の確保が難しい中山間地でも、水稲栽培を続けることができると思います」と家老理事。収穫した米は「UNEの天水米」と名付け、販売している。
UNEの斎藤喜一さん(63)は「一之貝の田んぼは、水を雨水に頼っているため、水不足にならないよう見回りが欠かせません。大変ですが、収穫に向け頑張っています」と笑顔で話す。
中山間地は、人口の減少に伴い、農家の高齢化などさまざまな問題を抱えている。そのような現状を改善するため、UNEでは周辺集落と連携し、活性化に向けた活動を計画中だ。また昨年から、有機農法で作った米と湧き水を利用したどぶろく「雪中壱乃界」の製造・販売も行っている。
家老理事は「常に新しい情報を発信し、地域を盛り上げていきたいです」と意欲を燃やす。
▽問い合わせ先=特定非営利活動法人UNE(電話0258・86・8121)
(江口敬人)

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