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にいがた版 6月4週号

雪国の茶
魅力伝えたい

村上市 冨士美株式会社 飯島 剛志さん

「北限の茶処」と呼ばれる村上で、茶師として活躍する村上市長井町にある冨士美園株式会社の飯島剛志さん(40)。伝統の村上茶を守るとともに、県内では珍しい紅茶の製造を手掛けるなど、茶の魅力を発信し続けている。

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「雪国紅茶」を手に飯島さん

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抹茶㊧、紅茶のソフトクリーム

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茶畑。3㌶まで規模拡大した。

茶師とは、茶葉の選定やブレンドを行い、変わらないおいしさを提供する茶のプロだ。
飯島さんが茶の業界に入ったのは今から20年前。元々、父親の実家が茶業を営み、伯父が後を継いだが、高齢で店を続けられなくなった。そこで、飯島さんの父親が勤めていた会社を辞めて継ぐことに。同時に飯島さんも父親と一緒に茶業に入る決意をした。「父が会社を辞めてまで継ごうとする茶業に興味を持ちました」と飯島さん。
東京の販売店で3年間、販売のノウハウを学び、その後、静岡県の茶業試験場で2年間、茶の栽培や化学、製造について学んだ。
そんな折、地元の茶について調べる課題があり、100年以上前に村上で紅茶を作り、海外へ輸出していたことを知った。村上に戻ってから、試験場で学んだことを頼りに紅茶の試作品開発を開始。同時に3年かけて茶畑を整備し、収穫量を上げた。併せて60㌃しかなかった茶畑を耕作放棄地を借りて3㌶にまで広げた。
「緑茶用の製造機で紅茶を作るため、調整が大変でした」と苦労を話す。試行錯誤の末、4年目にしてようやく紅茶の商品化にこぎ着けた。県内でも村上茶を知る若い世代が減ってきていることから「雪の降る新潟でも茶の栽培をしていることを知ってほしい」との思いを込めて「雪国紅茶」と名付けた。同社の作る紅茶は渋味が少なく、ほのかな甘味もあって和菓子にも合うと顧客から好評だ。
もう一つ同社の名物に、茶葉を粉末にして混ぜ込んだ抹茶と紅茶のソフトクリームがある。どちらも茶本来の味を楽しめると老若男女問わず人気を集めている。
飯島さんは「“お茶屋さん”というと何となく店内に入りづらい感じもしますが、紅茶やソフトクリームを販売してから、若いお客さんや女性客が増えました。努力して作ったかいがあります」と話す。
「雪国で作るお茶を多くの人に知ってもらいたい」と茶師として、これからも魅力あふれる茶の提供に力を注ぐ。
(松川周子)

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