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にいがた版 2016年9月1週号

全国豆類経営改善共励会で大臣賞
排水対策徹底し反収285㌔

㈲アラカワファーム 長岡市

豆類の生産振興を図る2015年度全国豆類経営改善共励会の表彰式が先ごろ、東京都内で開催された。全国から出品された143点の中から、栽培技術や生産コスト低減などに優れた11点が表彰され、長岡市高瀬町の有限会社アラカワファームが大豆経営の部で農林水産大臣賞を受賞した。

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賞状を手に荒川俊一さん㊨と貴行さん

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「排水対策が大事」と土壌の乾き具合を見る貴行さん

「とにかく、圃場をいかに乾かすかが大豆栽培のポイントですね」と口をそろえるのは、アラカワファームで会長を務める荒川俊一さん(69)と息子で代表取締役の貴行さん(44)。ブロックローテーションによる団地化を行い、大豆「エンレイ」を17.6㌶栽培している。
排水対策は、前年秋から取り組みを始めるほどの徹底ぶりだ。作付け予定圃場を効率良く排水させるため、弾丸暗渠(あんきょ)を施工。斜め方向に2.5~3㍍間隔で行い、水が溜(た)まりやすい枕地には、直交方向にも敷設する。
「水稲の作付け圃場や舗装道路に隣接し、水の流入リスクが高い畦畔(けいはん)沿いにだけ明渠を施工しています」と荒川会長。以前は、全ての大豆圃場で額縁明渠を掘っていたが、あぜが崩れやすくなってしまったり、作付面積が減ってしまったりするため、施工方法を変更した。そのおかげで、収量増と作業効率のアップを両立することができたという。
荒川会長は、「最近では、アップカットロータリーを利用した『耕うん同時畝立て播種』を行うことで、湿害が少なくなり、収量が安定してきました」と胸を張る。この播種方法は、砕土率を高めて湿害を回避する他、播種時に散布する除草剤の効果を高められるという。
同法人は、排水対策を徹底した結果、10㌃当たりの収量285㌔、上位等級比率は64%を達成した。
「30年以上、水田圃場で転作大豆を栽培してきました。当初から湿害に悩まされていましたが、試行錯誤した結果、このたびの賞を受賞することができました。同地区から2年連続で農林水産大臣賞の受賞者が出たのは大変喜ばしいことです。これをきっかけに地域の大豆をもっとPRし、盛り上げていきたいです」と荒川さん親子は意気込みを見せる。
(笹川正宏)

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