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にいがた版 2016年11月4週号

「棚田米」「雪むろ米」など特別栽培
うまい米を追及

うおぬま倉友農園㈱ 南魚沼市

今から15年前、社長が所有していた農地約1.2㌶の栽培から始まった南魚沼市早川の「うおぬま倉友農園株式会社(関秀俊代表取締役)」。現在、18.5㌶にまで規模を拡大し、消費者の嗜好(しこう)に合わせた米の栽培を中心に、主におにぎりを販売する自社直営の店をオープンするなど、米の消費拡大にも力を入れている。

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「今年も良い出来です」と関常務取締役

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県認証特別栽培米「雪むろ米」

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県認証特別栽培米「はざ掛け米」

うおぬま倉友農園では水稲約14㌶を栽培しており、そのうち約9㌶は塩沢産「魚沼コシヒカリ」を慣行栽培、約5㌶は特別栽培米として、減農薬、減化学肥料での栽培に取り組んでいる。
中でも特別栽培米は、地形を利用した「棚田米」や自然天日乾燥させた「はざ掛け米」、雪冷熱を利用して貯蔵した「雪むろ米」など、種類を豊富に取りそろえる。
常務取締役の関昭夫さん(62)は「現代のお客さまは味にとても敏感です」と真剣な表情だ。食味を向上させるためには、収量を抑えて栽培することが重要だといい、中干しをしっかりと行い、分けつを抑制している。品質管理にも細心の注意を払い、今年のはざ掛け米は、タンパク含有量が約5.1%となり、食味・品質ともに良い出来となった。
同社では自社生産のおいしい米を多くの人に味わってもらいたいと、2006年に直営店「おにぎりや」をオープン。毎日、県内外から多くの人が来店し、「米本来のおいしさが味わえる」と大好評だ。店内にはイートインコーナーも設けられており、おにぎりと一緒にみそ汁などもその場で食べることができる。梅干しやたらこ、牛肉みそや焼きおにぎりなど種類が多いのも魅力だ。
おいしい米の栽培に余念がない同社だが、今後について不安もあるという。「同地区は中山間地で、条件不利地が多いです。そのため条件整備をきちんとしなければ、今後の農地集積も難しくなると思います」と関常務取締役。「地域を支えていく担い手が衰退しないような対策や方策が進むといいですね」と期待をかける。
(滝沢理)

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