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にいがた版 2016年12月1週号

伝統野菜「刈羽節成きゅうり」
多彩な漬物に

菜々彩工房 柏崎市

柏崎市橋場町にある「菜々彩工房」では、8年前に地域の特産物として復活した「刈羽節成きゅうり」を漬物に加工し、販売。工夫を凝らした種類豊富な商品で伝統野菜をPRしている。

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商品を手にPRする菜々彩工房メンバー

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種類豊富な商品

「刈羽節成きゅうり」は、薄緑色の外皮に白い筋と黒いイボがあるのが特徴で、果肉が厚いため漬物に適している。生で食べるとやや苦味があるが、漬物にすることで、その苦味が深いうま味へと変わる。一般的なキュウリにはないパリパリとした歯応えが魅力の伝統野菜だ。明治時代から同市西中通地域で栽培されていたが、食生活の変化により生産量が減少し、50年ほど前に姿を消した。
刈羽節成きゅうりが再び注目されるようになったきっかけは、2008年に上演された同地域を題材とした演劇だった。刈羽節成きゅうりがかつてこの地域で盛んに作られていたことが紹介され、再び地元の特産物にしようと気運が高まった。
県内の種苗会社で保存されていた種子を取り寄せ、地元農家が中心となり、栽培を開始。同工房代表の堀愛子さんも栽培農家の一人だ。
「普段は週に1度集まって加工の作業をしていますが、収穫時期の6月中旬から8月中旬には、塩蔵(塩漬け)作業で忙しくなります」と堀さん。同工房は、40代から80代の女性7人で構成され、添加物を一切使わない素材を生かした漬物を作り続けている。
現在、販売している漬物は全部で7種類。ショウガとタカノツメのピリ辛味を効かせた「たまり漬け」や、辛なんばんを青シソで包み、キュウリの中にさし込んだ「鉄砲漬け」など、いずれも工夫を凝らし、手間暇をかけて作られている。塩漬けされたキュウリは、炒め物、すし、サラダなどで多様な味を楽しむことができる。漬物を使ったレシピも配布しており、購入者から好評を得ている。
「新商品の開発にも力を入れていますが、添加物を使わないので、考案するのに苦慮しています」と堀さん。
同工房で会計を担当している河合みち子さんは「キュウリ漬けに用いる他の野菜もメンバーで手分けして栽培するなど、全て地元で取れたものを使っています。素材が持つ自然な味わいを楽しんでほしいですね」と笑顔をみせる。
▽菜々彩工房=柏崎市橋場町13番12号、電話0257・32・2233▽営業日=毎週木曜日、午前9時~午後4時
(笹川正宏)

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