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にいがた版 2017年2月1週号

大豆を納豆、フムスに加工
若い力が活躍

農事組合法人カメヨコ 新潟市

6次産業化を目指し、自社生産大豆の商品開発に挑んでいる新潟市江南区の農事組合法人「カメヨコ(田村唯次代表、構成員27人)」。若手構成員のアイデアや意見を積極的に取り入れ、フムス(大豆のペースト)や納豆の商品化など、新たなフィールドの開拓に力を注いでいる。

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田村代表(左端)と構成員

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納豆の考案者の立川さん

カメヨコの構成員は全員が農家の後継者で、若手農業者の割合も多い。「うちは若い人が多いので、よそからうらやましがられます。だからこそ、もっと収入を上げて農業の楽しさ、やりがいを知ってもらいたいです」と話す田村代表。
同法人の2016年産大豆の栽培面積は約60㌶。基本的に江南区内の転作大豆は、同法人に全て委託される。水稲の作付け率によって栽培面積が変わるため、過去には最大で100㌶になったこともある。
田村代表は「収入を増やすため、大豆を加工して販売しようと考えていましたが、ありきたりな商品では特色が出ません。付加価値のあるもの、特徴のあるものにしたいと悩んでいました」と当時を振り返る。
そんな時、構成員の立川喜彦さん(34)から納豆とフムスの商品化の提案があった。フムスとは、中東地域の伝統的な料理で大豆(本場はヒヨコマメ)にニンニク、練りゴマ、オリーブオイルなどを加え、ペースト状にしたもの。生野菜やパンなどにつけて食べることが多い。栄養価が高く、美容にも効果があることから近年、人気が高まりつつある。
田村代表はアイデアを採用し、立川さんが中心となり、商品化への取り組みが始まった。フムスは現在、同市内のアグリパークの食品加工支援センターを利用して試作を重ねている。納豆は、福祉施設が運営する加工場に依頼し、試行錯誤を重ねた結果、納得できる商品となった。年内には販売できるよう準備を進めている。
「フムスは注目が集まっていて話題性がありますし、納豆生産は、障がい者の自立支援という福祉分野への貢献が期待できます。二つとも楽しみです」と笑顔を見せる田村代表。「頻繁に農政が変わって先が見えませんが、6次産業化に力を入れ、『カメヨコ』ブランドを確立し、収入を上げていきたいですね。若い人の情報収集力や行動力に期待しています」と抱負を話す。
(齋藤正樹)

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