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にいがた版 2017年3月3週号

南国生まれのパッションフルーツ
雪国の特産に

瀬波南国フルーツ園 村上市

村上市の瀬波温泉近くにある瀬波南国フルーツ園(中村竜也園長=40歳)は、バイオマスエネルギーを利用し、雪国では不可能といわれていたパッションフルーツの栽培に成功した。循環型農業システムによる二酸化炭素排出削減や新たな名産品の誕生で、地域の活性化が期待されている。

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バイオマスエネルギーを利用したハウスでパッションフルーツを育てる中村さん

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一番人気のパッションフルーツのジェラート

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フルーツ園では地元の特産品を使った商品を販売

瀬波南国フルーツ園では、近隣の温泉旅館やホテルから出る食べ残しなどを使い、隣接するバイオマスエネルギープラントからメタンガスを発生させている。メタンガスは発電に利用され、その時に発生する排熱を利用してハウスを加温し、パッションフルーツの栽培を始めた。
沖縄県から苗を取り寄せて栽培したが、開園1年目は約10%の木しか越冬させることができなかった。しかし、わずかに越冬できた木を選別、育成するなど試行錯誤の末、2年目には50%の木を越冬させることに成功。3年目は、ほぼ100%の木が越冬でき、耐寒性に優れた木を育成した。現在、2棟のハウスで約200本のパッションフルーツを栽培している。
収穫したパッションフルーツは、糖度や栄養価が高く、都内の高級果物専門店に並ぶほどの評価を受けている。最盛期には敷地内の直売所や通信販売でも購入できる。
直売所には、パッションフルーツをジェラートやスムージーなどに加工し、年間を通して販売。果実がふんだんに使われたジェラートは、スッキリとした甘さと爽やかな酸味が特徴だ。パッションフルーツの種を混ぜているため、食感の変化も楽しむことができ、同園の人気商品となっている。他にも、地元特産品の茶や「笹川流れの塩」を使用した地元ならではのジェラートが味わえる。
同園では、普段目にすることがない珍しい南国の植物が多数栽培されており、無料で見学することができる(3月末までは土壌改良中のため見学できない)。
「特殊な技術を使って雪国で栽培されたパッションフルーツを多くの人に知ってもらいたいです。ぜひ、海を眺めながら南国のジェラートを食べて楽しんでください」と中村さんは笑顔で話す。
▽問い合わせ先=瀬波南国フルーツ園(電話0254・52・5060)▽営業時間=午前9時30分~午後5時、3月末まで木・金曜定休
(内田優駿)

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