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にいがた版 2017年5月3週号

後継者育成へ研修生を指導
島の花園守りたい

石井孝良さん 佐渡市

畑80㌃で、30万球のチューリップを生産している佐渡市八幡地区の石井孝良さん(66)。定年退職を機に実家の農業を継ぎ、水稲栽培を行いながら、チューリップの栽培面積拡大と後継者不足の解消に力を注いでいる。

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満開のチューリップ畑で石井さん

 

 

 

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県のオリジナル品種「恋心」

八幡地区では1965年ごろから、農閑期に砂地を活用したチューリップの栽培が盛んに行われていた。しかし、当時17㌶あったチューリップ畑は、後継者不足などで現在1.3㌶までに減少。広い休耕地だけが目立つようになってしまった。
石井さんは「自分が栽培をやめてしまったら、一面に広がるチューリップの美しい景色も絶えてしまう」と、5年前に実家の農業を継ぎ、チューリップ栽培を続けることを決めた。
栽培面積を拡大させたい気持ちもあったが、「まずは手間暇をかけながら、まんべんなく自分の目で見られるように」と、1.3㌶あった面積を80㌃に縮小した。土壌消毒や防除を丁寧に行い、圃場に高低差をつけ排水対策も徹底。万が一、罹病(りびょう)してしまった場合は、株を早急に抜き取るなど栽培管理には細心の注意を払っている。
栽培する品種は「ピンクダイヤモンド」「フレミングパーロット」をはじめ、県内で2人しか栽培していない県のオリジナル品種「恋心(こいごころ)」だ。開花後すぐに摘花するため、満開の期間は短いが、見に来た人は歓声を上げ、うれしそうな笑顔を見せるという。
現在、JA佐渡球根倶楽部の部会長を務めている石井さん。チューリップの栽培面積拡大と後継者不足の解消を目指し、研修生も快く迎え入れ、栽培技術や経営知識の習得を支援している。
「この美しい景色をぜひ多くの人に見てもらいたいですね。“瞳に映える色とりどりの春”をテーマに、昔のように色とりどりのチューリップが満開に咲き誇る、八幡地区を守っていけるよう頑張りたいです」と抱負を話す。
(渡部奎奈)

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