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にいがた版 2017年6月3週号

先輩の指導受け米作り勉強中
若い力で集落元気に

渋江 嘉輝さん  柏崎市

美しい自然が広がる柏崎市鵜川で10年前、「集落に活気を取り戻す!」と、地元有志が活性化推進グループ「だぁ~すけ」を結成した。縁あって新メンバーとなった渋江嘉輝さん(24)は、同集落のPRに一役買っている。

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移住先で農業に汗を流す渋江さん

 

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「若者に期待しています」と小野会長

鵜川集落では、65歳以上の高齢者が集落人口の半数以上を占めている。集落存続の危機を感じた小野光昌さん(76)を会長に同グループが結成された。「綾子舞街道風土市」などで地域の作物を生かしたそば打ち体験や味噌(みそ)販売など、地元の活性化に力を入れている。
2年前、長岡出身の渋江さんは長岡技術科学大学を卒業し、同集落に移住した。現在、唯一の20代として農業に従事し、集落の活性化に貢献している。広報活動や市の「元気な町づくり事業」の補助金申請など早々に活躍しているホープだ。
大学在籍中にボランティアサークルで活動していた渋江さん。同集落を訪れた際に小野会長と出会い、ソバ畑の草刈りや祭りの手伝いをしたことがあった。就職か進学かで進路を悩んでいた頃、フェイスブック(会員制交流サイト)に「私が欲しいところありますか?」と書き込みをしたところ、小野会長から「鵜川に移住し、農家をやってみないか」と誘われた。
「当初、就農は考えていませんでしたが、地域の活性化に関われる仕事に就きたいと考え、移住を決意し、農業を始めました」と当時を振り返る。小野会長の指導の下、この2年間は農業の基礎知識を学び、農機具の実習も受けた。「あっという間に2年が過ぎました。今は農作業を覚え、やりがいのある毎日です」とほほ笑む。
後継者不足が深刻化している同集落で「渋江君には後継者のいなくなった農地の担い手として大いに期待しています。私の知識をどんどん伝えていきたいです」と小野会長は期待を寄せる。
「農薬と化学肥料を極端に減らし、有機肥料を使って、安全・安心と食味重視の米作りに取り組んでいます。大学で学んだ経営の知識を生かし、販路を拡大していきたいです」と渋江さんは力強く話す。
(江口敬人)

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