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にいがた版 2017年7月3週号

自家産卵でプリンなど
心安らぐ味を

おかし屋「壱福堂」 新発田市

自宅の敷地内で平飼いしている鶏の卵を使ったプリンやクッキーが人気を呼んでいる、おかし屋「壱福堂」(新発田市)。昨年12月にオープンして7カ月が経過し、口コミで順調に客足を伸ばしている。

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プリン液を作る佐藤さん

 

   

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産みたての卵を使ったプリン

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納屋を改装した店舗

新発田市の中心部から胎内スキー場へ向かう国道沿いにある赤い看板が目印のおかし屋「壱福堂」で、店主兼パティシエールを務める佐藤沙織さん(32)。
佐藤さんの実家は、元々米と野菜、小規模の養鶏業を営んでいたが、納屋を改装し、同店をオープン。その後「自家産の卵を有名にしたい」と産みたての卵を使用したプリンの販売を始め、50羽だった鶏も100羽に増やした。
「この地域は野生動物との闘いなんですよ」と話す佐藤さん。プリンの販売が軌道に乗り始めた頃、テンによって3分の2の鶏が被害に遭ってしまい、自家産の卵が使用できなくなるという苦い経験もある。
佐藤さんは、幼い頃から姉をまねて菓子を作っており、友達にあげた時にとても喜ばれたことから「多くの人を喜ばせる仕事がしたい」とパティシエールの道を目指した。
調理の専門学校を卒業後に3年間、横浜市の洋菓子店で修業した。県内に戻ってから、いったん菓子作りから離れ、実家の農業を手伝いながら地元のレストランで接客を学んだ。
農業で作物に触れるうちに「実家で取れた作物を使って何か作りたい」と思ったという。営業時間外のパン屋の厨房(ちゅうぼう)を借りて、クッキーなどの焼き菓子を作り、パン屋や直売所で販売する生活を5年間送った。
店名にもなっている「いっぷく」のように、一息つきたいときやほっこりしたいときに食べたいと思ってもらえるような菓子を目指している。
今後は、自宅で栽培している小豆を使用した和菓子や野菜を使用した洋菓子に挑戦し、菓子の種類や味のバリエーションを増やすことで、顧客に楽しんでもらえる店にしたいという。
「材料が限られているため大量生産ができない分、質の良いおいしいお菓子を提供していきたいです」と笑顔で話す。
▽問い合わせ先=壱福堂(新発田市下中山63、電話0254・29・3733)▽営業時間=午前10時~午後5時
▽定休日=水曜
(松川周子)

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