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にいがた版 2018年1月3週号

子供と生産者の交流も
愛情野菜で元気に育て

頸城区学校給食地場野菜クラブ 上越市

上越市頸城区内の小・中学校の給食用に新鮮な地元野菜を届けている「頸城区学校給食地場野菜クラブ(代表=上野千一さん・28歳)」。地元生産者8人の他、市や学校、JAや同区内の小売店などで構成され、学校給食に使われる地場産野菜の割合を向上させようと日々、奮闘している。

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収穫した野菜を手に上野さん

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次年度の栽培計画の打ち合わせ会

頸城区学校給食地場野菜クラブは、JAの営農指導員の提案の下、地元生産者が関係機関と共に2015年1月に設立。生産者たちがエダマメの後作として栽培したキャベツを、旧上越市内の小学校の学校給食用に納品していたことがきっかけだった。現在、同区内の三つの小学校と一つの中学校に新鮮な地場産野菜を届けている。
地場産野菜を学校給食に使うには、まず、学校の栄養士が翌月の献立1カ月分の食材を小売店に発注する。すると、小売店からJA担当者に注文が入り、該当する野菜を作付けする生産者へ注文書が届く。生産者は納品日の前日か当日に収穫し、小売店へ納品。これが学校給食に使われる仕組みだ。
生産者たちは鮮度を大切にし、収穫してから日数のたったものは納品しないように心掛けている。天候不順などで規定量を収穫できない場合は、生産者同士で数量を融通し合って出荷。毎年冬には全体会を開催し、次年度の栽培計画や供給体制について意見交換を行うなど、精力的に活動している。
努力が実り、同区の学校給食に使われる地場産野菜の割合は向上。取り組み開始前の13年は2%だったのに対し、開始後の15年には22%にまで増えた。品目も当初はキャベツだけだったが、栄養士からの提案や同クラブ内で「もっとやってみよう」との声が上がり、18年度はハクサイやバレイショなど、約20品目を栽培・納品する予定だ。
同区の大瀁(おおぶけ)小学校では毎年、地元生産者と子供たちが一緒に給食を食べる交流給食を行っており、昨年12月で3年目を迎えた。「自分たちが育てた野菜を食べている子供たちの顔が直接見られるのはうれしいですね」と代表の上野さんは目を細める。
「こういった取り組みは、なかなか長続きしないところもあると聞きます。今後は無理をして地場産野菜の割合を上げていくのではなく、できる範囲で継続していける取り組みを大切にしたいですね」と意欲を見せる。
(中嶋未来)

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