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にいがた版 2018年3月2週号

つなん雪肌うるい
雪国の味を提供

半戸康弘さん・英子さん 津南町

「シャキシャキとした歯応えで、えぐみのない『つなん雪肌うるい』は、毎日食べても飽きません。酒のつまみにも最高ですよ」と話す津南町中子の半戸康弘さん(79)。妻の英子さん(73)と共に、つなん雪肌うるいを長年にわたり栽培している。

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光を当てずに栽培したウルイを収穫する康弘さん


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つなん雪肌うるい

つなん雪肌うるいは、津南を覆う深雪のような白さが特徴で、温度管理をしながら光を当てずに栽培する。
「栽培床には、保温とウルイの開き防止のために、もみ殻を使っています。栽培が終わった後のもみ殻は、田んぼにまき、無駄の無いようにしています」と資源の循環活用も行っている。
ウルイは、2年間の畑での株養成で出来が決まるため、株の大きさがそろうように気を付けているという康弘さん。根に栄養が行くように、たくさんの肥料を使って育てている。
出荷は英子さんの提案で、トレーではなく、袋に入れて出荷しコストを削減。主婦の知恵を取り入れた。「トレーはごみになってしまいますし梱包(こんぽう)に手間も掛かるので、袋入りにして良かったです」と笑顔で話す。
半戸さん夫妻がウルイの栽培を始めたきっかけは「雪深い地域で、冬場でもできる農業はないか」と考えたことだ。2000年にタラの芽とウルイの栽培を始め、さまざまな種類の山菜に挑戦したが、あまり手の掛からないウルイの栽培に絞った。「ゼンマイやフキノトウなども栽培しましたが、労力的にも設備的にもウルイが一番でしたね」と話す英子さん。
康弘さんは、14年前に仲間に呼び掛け「津南うるい生産組合」を設立。森林組合に販売を委託し、今では4軒でウルイを栽培している。「立ち上げ当初は関心のある方が多く訪ねてきて、勉強会なんかもしましたね」と懐かしそうに話す。
英子さんは「昔は、つなん雪肌うるいを知ってもらうために、森林組合の方や仲間と出掛け、試食してもらいながら販売したこともあります。たくさんの人と交流ができ、いい経験ができました」とほほ笑む。
「ウルイは、収穫の終わったものを畑に戻して株養成ができるので、毎年、自分の苗で生産できるところがいいですね。これからも二人で続けていきたい」と話す。
(滝沢美香)

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