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にいがた版 2018年9月1週号

自家産「越後姫」でドライイチゴ
芳醇な香りで人気

若杉智代子さん 新発田市

「イチゴの栽培を始めて人生が良い方向に変わりました」と話すのは、女性1人で「越後姫」の栽培を手掛ける若杉智代子さん。経営する「米倉いちご農園」の名を「Ichi-Rin 苺稟〈いちりん〉」に改め、新発田市五十公野に直売所兼加工場をオープンさせた。

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ドライイチゴの袋詰め作業。奥が若杉さん。


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ドライイチゴ

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ドライフルーツ羊羹

若杉さんが栽培した越後姫で作るドライイチゴは、芳醇〈ほうじゅん〉な香りとイチゴ本来の濃い味がすると評判が良い。加工は全工程を手作業で行い、製品の量が限られているため、現在は直売所でしか購入できない。
「ドライイチゴの味は生のイチゴの味で決まります。基本である栽培管理に手を抜くことはありません」と若杉さん。品質が落ちれば顧客は離れてしまうため、毎年同じ品質で作ることが課題だという。
製品にならない端の部分は、和菓子の原材料として利用されている。同市内で唯一、若杉さんのドライイチゴを使用した商品「ドライフルーツ羊羹〈ようかん〉」を製造販売している「寿堂〈ことぶきどう〉」。同店の鈴木健太郎さんは「生のイチゴをそのまま乾燥させているので、酸味とうま味が凝縮されていて、試食したときに感動しました。今では若い年代の方々が購入していく人気商品です」と喜びを言葉にする。
若杉さんは農業と福祉の連携にも力を入れており、同市の社会福祉法人「希望の家」から人材を派遣してもらい、加工場の作業の一部を任せているという。
今後は新規就農支援も行いたいと考えている。イチゴハウスを何棟か建設し、農業とは無縁の主婦をターゲットに、パートに出る感覚でイチゴ栽培をしてもらう「主婦1棟イチゴハウスプロジェクト(仮)」を計画中だ。
「ドライイチゴが商品として軌道に乗ったときに、自分一人ではなく、他の方にもイチゴ栽培をしてもらいたいんです。もちろん私がちゃんと指導しますよ」と意欲的だ。
「人との出会いやさまざまなことにチャレンジできたことなど、イチゴ栽培を始めて得たことの方が多いです」と話す若杉さん。「今後もドライイチゴを使った商品を展開し、顧客を飽きさせない工夫をしていきたいです」と夢は尽きない。
(松川周子)

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