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にいがた版 2019年2月3週号

イチゴ「越後姫」
暖房は温泉熱ともみ殻ボイラー

株式会社千手 園芸畑作課長 田中 稔さん 十日町市

「お客さんが喜んでくれて、『また来たい。また食べたい』と思ってもらえるイチゴを作り続けていきたいです」と話すのは、十日町市川西地区の「株式会社千手」で園芸畑作課長を務める田中稔さん(42)。同社では、コストを抑えながらも、糖度が高い高品質なイチゴ「越後姫」の栽培を実現している。

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摘み取り体験に来た女の子に摘み
取り方を丁寧に教える田中さん

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温泉熱を利用して育てた越後姫
と加工品のジェラート

㈱千手では、イチゴハウス4棟を所有し、越後姫を年間7.5㌧生産。2017年には「県施設園芸立毛品評会いちご部門」で農林水産大臣賞を受賞した。十日町市内の観光地・市場に出荷を行っている他、同社でイチゴ摘み取り体験ができる「いちごはうす」を運営している。
「摘み取り体験では、ファミリー層を中心に県内外から年間2600人の来場があります。摘み取ったイチゴは贈答用などにも利用でき、好評です。口コミで知名度も上がり、来場者数が年々増加しています」と話す。今では出荷と摘み取り体験で生産が追い付かないほどだという。
同社では、高品質・低コストを実現させるため、温度管理に同市川西地区の「千手温泉」の温泉熱を利用。稲作の廃棄物であるもみ殻を使用したボイラーも活用し、一般栽培の燃料費5割カットを可能にした。
「収量向上のために、炭酸ガス発生装置を導入しました。冬場は日射量が低くなるため、粒が太りにくくなります。この装置でハウス内の二酸化炭素濃度を上げて、光合成を促進させています」と栽培方法に工夫を凝らしている田中さん。
「イチゴの生産量は年々増えてはいますが、まだまだ需要に追い付いていません。今後、鉄骨ハウス増設を検討し、生産量のアップを図るとともに、販路を拡大していきたいです。摘み取り体験では、団体の受け入れなどを行っていきたいですね」と話す。
摘み取り体験に来た女の子は「今まで食べたイチゴの中で一番甘くておいしい」と笑顔を見せる。田中さんは「お客さんのおいしいという言葉、喜んでいる表情が何よりありがたいです。食べていただいた方を笑顔にし、その先の新しいお客さんの笑顔のためにも、さらにおいしいイチゴをこれからも作り続けていきます」と力強く話す。
▽いちごはうす=十日町市水口沢1031の1、℡025(761)7308
(福原敏史)

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