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にいがた版 2019年4月2週号

法人化で足腰強く

笠原 大輔さん 南魚沼市

「わが家では長年にわたり農業が続いています。さらに続けていくためには、法人化が最適だと思いました」と話す南魚沼市新堀新田の笠原大輔さん(35)。父から経営移譲を受けて、昨年6月に「株式会社Qzaemon〈キュウザエモン〉」を設立し、代表取締役に就任した。水稲とサツマイモの複合経営で、消費者が安心して食べられる農産物を届けている。

(4-2)トップ「西潟研二」

低農薬で栽培した「コシヒ
カリ」をPRする笠原さん

 

 

「農業をするに当たって、法人化は自然な流れでした。個人より発展する伸び代が大きく感じましたし、生産から販売まで自分でやりたいとも思っていました」と法人化のきっかけを話す笠原さん。
同社では、水稲約4㌶の他、サツマイモ約20㌃を作付けしている。「水稲は3年以内に10㌶まで増やす予定です。低農薬栽培にこだわった『コシヒカリ』で、『新潟県特別栽培農産物認証制度』などを取得し、お客さんから安心して買ってもらいたいです」と力を込める。
初めて注文してくれた人には、商品を直接渡すことを心掛けているという笠原さん。都内へ持って行ったこともあるほどだ。「『持って行きます』と言うと、驚かれることが多いですが、可能な限りお客さんに届けて、喜ぶ顔を見たいです」と笑顔で話す。
また、同社で栽培しているサツマイモ「紅はるか」と「安納芋」は、「安心して消費してもらえるように」と農薬不使用で栽培している。収穫したサツマイモは、魚沼産コシヒカリのもみ殻を活用し貯蔵。徹底した温度管理で丁寧に追熟させた後、焼き芋や干し芋にして直接販売している。
「不定期で焼き芋屋をしていますが、SNS(会員制交流サイト)を見てくれた人が買いに来てくれたり、リピーターも多くて人気です。甘くておいしく、食物繊維も豊富で、加工にも適している農産物は他にないと思います」とサツマイモの魅力を話す。
水稲とサツマイモは、植え付けから収穫まで作業時期が重なることがない。稲刈り後にはサツマイモの加工販売ができるため、一年を通して農業経営ができることもサツマイモを栽培している理由の一つだという。
「今秋も焼き芋と干し芋を販売する予定です。その他にも野菜や果物の加工場を作り、ジャムやプリンなどへの加工を計画しています。安心な農産物の栽培を追求するとともに、雇用創出することで地域貢献につながればいいですね」と熱く話す。
(西潟研二)

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