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にいがた版 2019年5月3週号

料理店と取引、6次化……将来は観光農園も
農業をビジネスに

「桃川農園」代表 佐藤 譲さん 村上市

5年前に勤めていた会社を辞めて専業農家になった、「桃川農園」(村上市桃川)代表の佐藤譲さん(49)。水稲5㌶の他、畑1㌶で少量多品目の野菜栽培に特化した農業経営に取り組んでいる。

(5-3)トップ「松川周子」

桃川農園のサツマイモ「シルク
スイート」で作った「絹芋プリン」
と「絹芋ジェラート」を手に佐藤さん

 

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桃川農園で取れた野菜

桃川農園を2017年に立ち上げた佐藤さん。「専業農家になった当時、ダイコンの葉も分からないほど野菜に関しては無知でした」と話すが、4年間で30種類ほどの野菜を作付けし、一通りの栽培方法は習得できたという。
野菜作りが軌道に乗り始めた頃、販路を開拓するため東京のイベントに出展し、現在では首都圏のイタリアンやフレンチのレストランを中心に、10軒の料理店と取引している。「食材にこだわりを持つシェフに、こだわりの野菜を買ってもらうことで、農業がビジネスになります。これからの農業経営は、農家であることと同時に商人でなければなりません」と話す。
今年2月からはプリンを、大型連休からはジェラートの菓子店などのコラボによる6次産業化にも力を入れ始めた。「ジェラートは、現在、サツマイモのみですが、これからはアスパラガスやカボチャなど6種類までバリエーションを増やし、詰め合わせ商品として贈答用などに展開できたらうれしいです」と意気込む。
今後は、同農園のこだわりの米と野菜、自然豊かな里山に興味を持ってもらうため、ホームページに取引先の店のリンクを貼り付けたり、フェイスブックに毎日写真をアップするなどし、インターネットをフルに活用していきたいと考えている。「正直ネット販売は苦戦していますが、SNS(会員制交流サイト)を活用しながら少しずつ知名度を上げて顧客を増やしていきたいですね」と笑顔を見せる。
佐藤さんの最終目標は、田んぼや畑で農業体験をしたり、収穫した作物をその場で食べたり購入できる観光要素を備えた農園をつくることだ。「日々大切にしていることは、自分ではなく相手を盛り上げること。小さな農家でも幸せに暮らせる方法を実現させ、新しい時代の若者にバトンタッチしたいですね」と目を輝かせる。
(松川周子)

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