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にいがた版 2019年6月1週号

阿賀町の花・雪椿から食用オイル

「阿賀町観光協会」 大堀 洋之さん 阿賀町

地元住民と地元企業、新潟大学の協力で、阿賀町の大切な財産「雪椿〈ゆきつばき〉」から、また一つ新たな商品「食用雪椿オイル」が誕生した。地域住民一体となり、雪椿を使った商品で同町を盛り上げ、雪椿を守っている。

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「地域のみんなで雪椿を守り、
育てていきます」と大堀さん

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雪椿を使った製品。左が
「食用雪椿オイル」

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雪椿

雪椿は約100年以上前、現在の阿賀町津川と鹿瀬にまたがる標高200㍍に満たない低山「麒麟山〈きりんざん〉」で、日本原産の花木として世界で初めて発見された。
新潟県を中心とした雪の多い日本海側だけに分布する雪椿。原種の自生域は、同町が世界最大だ。しなやかな枝が雪の下に埋もれることで冬の寒さから身を守り、雪解けを待って咲くことから「春を告げる花」ともいわれている。
同町観光協会の大堀洋之さんは「地域住民の皆さんと一緒に、大切な阿賀町の財産・宝物として雪椿を育てています」と話す。
同町では、今までも雪椿製品のうどんや石けんなどを開発してきた。今年5月に種子を伝統製法で丹念にゆっくり時間をかけ非加熱で抽出した「食用雪椿オイル」を製品化することに成功した。
食用雪椿オイルは、オリーブオイルと性質がよく似ており、オレイン酸が多く酸化・劣化しにくい。血液中の善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールを増やさないため、生活習慣病が気になる人たちにもお薦めの高機能性オイルだ。
「地域の皆さんと一緒に雪椿の種子を摘み取り、希少な種子からできたオイルは体に優しく、くせがありません。サラダはもちろんパンに付けたりして、サラッと食べられます」と笑顔の大堀さん。
雪椿を地域住民一体で守ることは、故郷を守ること。一人一人が守りびと育てびととなり、これからを担う子供たちに雪椿をもっと好きになってもらう。そして、春になると野山や民家の庭先の至る所で雪椿が咲き誇るような地域づくりを同町は目指している。
「今後も雪椿を大切に守り、雪椿製品がさらにブランド化して、阿賀町により一層貢献していきたいです。これからも地域一体で汗を流し、PRしていきたいですね」と優しく話す。
(大森晴美)

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