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にいがた版 2019年6月3週号

農業と製造業を両輪に

「FUJI-HOUSE」代表 藤家 貴之さん 三条市

「FUJI-HOUSE(三条市駒込〈こまごみ〉)」では、オーダーメードのオリジナルクッキー型の製造と、「従来コシヒカリ」の生産を行っている。代表の藤家貴之さん(40)は、2018年に就農して2年目。製造業と農業を組み合わせて、地元ならではの事業を実践し、地域を盛り立てている。

(6-3)トップ「丸山圭子」1

主力商品「ホタルの舞う田んぼの
お米」を手に貴之さん。山間地の
きれいな水で育てた、昔ながらの
従来コシヒカリだ

(6-3)トップ「丸山圭子」2

一つ一つ手作業で作るオリジナル
クッキー型には、全国から注文
が集まる

 

 

父親の彰人さん(65)が経営している金属加工会社で、家族と共に働いていた貴之さんは、2015年ごろから、インターネットを通じたオリジナルクッキー型の受注生産事業を開始。1個からの受注生産は世界的にも珍しく、全国の飲食店や個人から注文が集まっている。
「その頃から、将来は本格的に農業をやりたいと考えていました」と貴之さんは話す。以前から製造業の傍ら、父を手伝う形で農作業に携わっていて、農業機械を使った作業をするのも好きだったという。昨年、父から経営移譲を受け、正式に農業経営者となった貴之さん。経営規模を拡大し、約9㌶で水稲栽培を始めた。
FUJI-HOUSEでは、ウェブサイトを開設して、山間地のきれいな水で育った従来コシヒカリを「ホタルの舞う田んぼのお米」として売り出している。製造業と農業の両輪で、より多くの人に商品を見てもらうことができると考えた。
「駒込は三条市の下田地区にあり、冬場は豪雪で施設園芸も困難です。冬場の収入源は、クッキー型に助けられていますね」と苦笑いする貴之さんだが、ものづくりのまちでもある三条市らしい経営形態だと自負する。
貴之さんは、さまざまな地域おこし事業にも、集落の協力を得て参加している。「農業もイベントも、集落の皆さんの助けがあってできています」と話す。集落の絆を強く実感し、それを外部の人からも見てもらいたいと思うようになったという。
「ゆくゆくは農家民泊などにも挑戦したいと思っています。お客さまを大切に、うちや駒込のファンを増やしていきたいです」と意気込む。
▽問い合わせ先=FUJI-HOUSE▽HP=https://fuji-house.net▽電話080(1154)4661
(丸山圭子)

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