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にいがた版 10月1週号

西洋ナシジョイント栽培
省力で低コスト

新潟県農業総合研究所 聖篭町

神奈川県で開発された日本ナシのジョイント栽培。主枝を一定方向へ延ばし、先端部を隣の樹〈き〉へ接ぎ木により連結して、複数樹を直線状の集合樹として仕立てることで、早期成園化と省力・低コスト栽培を実現する技術だ。その適用品種・樹種の拡大が期待される中、新潟県農業総合研究所が研究した西洋ナシのジョイント栽培が注目されている。

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定植6年目のジョイント栽培園地

(10-1)トップ「デスク」図1

西洋ナシのジョイント
栽培の収量推移

 

◎定植5年で成園並みに
慣行栽培では、10~12年目でやっと10㌃当たり千㌔収穫できるようになるのに対し、ジョイント栽培では、定植5年程度で3千㌔と成園並みの収量が取れる。さらに、樹形が単純化するので、作業時の移動が直線状になり、授粉や摘果、袋掛けの省力化が可能になる。
◎まずは大苗養成から
ジョイント栽培を始めるには、まず、大苗の養成から始める。購入した苗木を不織布ポットに植え付け、1.2㍍程度で切り返す。月1回程度肥料を与え、1日2~3回の自動灌水〈かんすい〉を行い、長さ3㍍以上の大苗になるまで約1年間育成する。その後、苗の長さに応じて、隣接樹とジョイント可能な距離で圃場に定植(樹間1~2㍍、主枝高1.6㍍)。4月中に主枝のジョイント(接ぎ木)を行う。
◎ジョイント方法
ジョイントする際は、主枝先端部の下面と隣接樹の上面を水平になるように削り、結束バンドで固定させる。大苗を養成せず購入した苗をそのまま定植しても、慣行栽培より早期に収穫できるが、大苗を利用するとより早く成園化できる。
苗木は、10㌃当たり200本程度必要になる(慣行栽培では40本程度)。
◎剪定作業のマニュアル化も可能
ジョイントした年の冬の剪定〈せんてい〉は、主枝から発生した太さ9㍉以上の1年枝を全て切除。残った6.5~9㍉の枝の先端を真上向きに誘引し1年間伸長させる。2年目以降は、真上向きに伸長させていた側枝先端を斜立させながら伸長させ、主枝から魚の骨状に枝を伸ばして3年目から着果させる。このように剪定作業はマニュアル化でき、ベテラン農家でなくても剪定できるようになる。
ジョイント栽培を始める際は、神奈川県がジョイント栽培の特許を保有しているため、神奈川県から実施許諾を受けている全農にいがたに、苗1本当たり141円(税別)の実施料を支払う必要がある。

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