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にいがた版 2020年2月3週号

ホウレンソウ、味美菜
豪雪期の収入源

株式会社たちばな 十日町市

例年3㍍の雪が積もる豪雪地域で冬期間の仕事を確保するため、10年ほど前からハウス栽培に取り組んでいる十日町市仁田の「株式会社たちばな」。無加温でホウレンソウと味美菜(あじみな)の栽培を行い、社員の雇用を守っている。

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ホウレンソウの生育を見守る田中さん

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チンゲンサイとコマツナの性質を併せ持つ味美菜

「通常1カ月ほどで出荷できますが、無加温なので収穫までに2カ月かかります。収益が多く見込めるわけではありません」と話すのは、同社代表取締役の田中茂夫さん(71)。ハウス栽培をするには、もみ殻ストーブやLEDライトなど良いシステムがいろいろ出てきているが、導入するには費用がかかり、なかなか難しいという。
地域で協力しながら農業を営んでいる同社。現在、全国的な暖冬のため葉物野菜が豊作で、市場価格が低下している。しかし、同社では地元の直売所に卸しており、価格設定に融通が利くため大きなダメージはないという。
同社では以前、冬場にプチヴェールをコンテナで栽培していたが、盆までにコンテナへ移植しなければならず、夏場に栽培しているトマトと栽培時期が重なっていた。
さらに、トマトの収穫が終わり次第、ハウス内へコンテナを移動する作業が重労働だった。プチヴェールはその頃、生育が進み、木のような株になっており、傷つけないように注意をしなければならず、苦労が多かったという。
そこで、昨シーズンからコンテナ栽培をやめ、ホウレンソウと味美菜を栽培することを決めた。「芽さえ出てしまえば、枯れることはない」と話す田中さん。昨シーズン、放射冷却によりマイナス7度まで冷えた日があり、その日は萎(しお)れてしまったが、その後、順調に生育し、大きな影響が無く無事に出荷することができた。
昨シーズンの経験を生かし、今シーズンはトンネルをかけ、低温時の霜対策をしてきた。現在、例年より気温が高いため、霜が降りることが無く順調に生育している。
「これからは稲作だけでは、やっていけません。もっと園芸を拡大していきたいです」と田中さんは力強く話す。
(柳瑞穂)

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