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にいがた版 2020年2月4週号

地域農業この手で守る
“結び付き”大切に

有限会社ホープイン中沢 長岡市

「地域の方々に『任せて良かった』と思ってもらえる農業がしたい」と話すのは、長岡市中沢地区の「有限会社ホープイン中沢(代表取締役社長=駒野亜由美さん)」取締役の三上恵介さん(35)。同社は従業員3人とパート2人で、水稲約30㌶、大豆約18㌶を作付けする他、冬季にはハウス4棟でアスパラ菜とブロッコリーを栽培している。同地区の農地の約半分を受託する同社では「中沢の農業を守る」ことを第一に考え、農業に取り組んでいる。

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「ファンになっていただき、直接購入してくださる方が増えるとうれしいです」と三上さん

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中沢地区の農地地図。地区の約半分の農地を受託する

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店舗にはない商品もねと販売で購入可能。黒紫米は鮮やかな見た目とおいしさで人気

以前は「中沢の農業を守る」ということがよく分からなかったという三上さん。「『守る』とはどういうことなのか、いろいろな先輩農業者に尋ねました。今は任せてもらった田んぼや畑を荒らさず、つないでいくことで守っていきたいと思っています」と笑顔を見せる。
三上さんは就農する前、工場勤務や運送ドライバーなど、人と接することの少ない仕事をしていた。結婚を機に農業に触れ、多くの人と関わることに新鮮な驚きを感じたという。
「入社してすぐ、泊まりがけの視察研修に参加しました。交流と学びが一体となった雰囲気が農業ならではだと感じました」と当時を振り返る。交流を重ねることで、地域との結び付きを大切に農業に取り組みたいという思いは明確になった。
地域との連携の一環として、現在同社では「新潟県農作業受託サポーター配置事業」を活用し、障がい者の人たちに農作業を委託している。また、三上さん自身も「越路町商工会青年部」の一員として地域の行事に参加している他、今年1月には青年農業士として認定を受けた。これからも、さらに地域交流の場を広げていきたいと考えているという。
「今後は作物の品質向上や、顧客の獲得に力を入れたいですね」と三上さん。3年連続1等大豆を生産する同社には東京からも買い付けが来る。スーパーの地場産売り場や直売所で販売するブロッコリーとアスパラ菜は、毎日売り切れるほど好評で、冬の看板商品となっている。
「高品質の作物を生産することで『中沢産』を多くの人に発信したいと思っています。中沢のファンを増やすことで、地域農業を守っていきたいですね」と三上さんは力強く話す。
(齋藤美沙)

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