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にいがた版 2020年3月1週号

営農も生活も
「お互いさま」

農事組合法人かわも 佐渡市下川茂中央集落

「お互いに助け合いながら、農業を行っています」と話すのは、佐渡市下川茂中央集落の「農事組合法人かわも」で代表を務める風間昌平さん(66)。昨年1月に発足した同法人では、現在、構成員同士で協力しながら、水稲13㌶を耕作している。

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「農事組合法人かわも」のメンバー

 

 

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協力しながら防除を行う

田植えや夏場の防除、収穫などの時には、構成員全戸から都合のつく人全員が集まり、協力して作業を行っています」と話す風間さん。同集落では農作業を通して、日常生活でも助け合いが行われている。
「兼業農家ばかりで今後も継続して営農していくには、機械の共同化などが必要だろう」との思いから、2007年に同集落の9軒の農家で、同法人の前身「下川茂中央生産組合」を設立した。
立ち上がってから数年の間、機械は共同で使用していたが、作業は個々で行われていた。風間さんは「人の田んぼは、畦畔〈けいはん〉でも勝手に踏んではいけないと言われて育ちました。コンバインや田植機で人の田んぼに入ることなど考えられませんでした」と振り返る。
当時は、兼業農家が多かったため、機械を使用する日程調整などが難しく、自分の都合だけでは作業を進められなかった。数年たった時、「せっかく生産組合化したのだから、作業なども一緒にやってはどうか」という意見が構成員から出た。この意見に構成員全員が賛同し、名実ともに生産組合化が進んだ。若手などの後継者も作業に参加し、互いの作業を助け合うようになった。
風間さんは「田植機を借りている時に親戚に突然不幸があり、他の構成員が作業してくれると言ってくれました。葬儀が終わってから自分の田んぼに苗が植えてあったのを見て、組合のありがたさを感じました」と、うれしそうに話す。
その後、行政などの打診もあり、昨年1月に「農事組合法人かわも」を設立。生産組合時代の協力体制は、日常生活にも生かされ、困ったことがあれば「お互いさま」の精神で助け合い、地域の活性化にもつながろうとしている。
「これからもこの協力体制を強く持ち、生産性を上げることと地域の活性化を目標に一歩一歩進んでいきたいです」と風間さんは力強く話す。
(佐久間圭吾)

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