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にいがた版 2020年4月1週号

イノシシ駆除を
ドローンで支援

NOSAI中越

NOSAI中越(安達敏興組合長理事=72歳)では、増え続けるイノシシなどによる農作物被害の対策として、赤外線カメラを搭載したドローン(小型無人機)での有害捕獲支援を開始した。捕獲率の向上や労力軽減につながると期待が寄せられている。

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猟友会の案内で生息地を空撮する

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送信機に映し出される赤外線映像で
イノシシを捜索する猟友会員ら

DCIM/100MEDIA/DJI_0012.jpg

赤外線カメラで撮影したノシシ

NOSAI中越管内ではイノシシなどの鳥獣被害が年々拡大しており、2019年度の水稲共済でイノシシの踏み荒らしなどの被害に対し、約1400万円の共済金を支払った。農業者は、水田に電気柵を張り侵入を防ぐなどの防除対策を実施しているが、増え続ける個体数を管理する対策として有害捕獲も不可欠だ。
そこで昨年7月に可視光カメラと赤外線カメラを搭載できる空撮用ドローンを導入し、イノシシの生息地調査を開始した。冬季に落葉した山林では、赤外線カメラがイノシシの体温を感知して白い影として発見できる。この冬は積雪が無く、イノシシ猟で重要な手掛かりとなる足跡を探すことが困難な中、空撮による捜索は有効な手段と考えられた。
長岡市と出雲崎町の要請で、今年の2月から猟友会の実施するイノシシの「巻き狩り」を支援した。巻き狩りは、獲物を追い出す勢子〈せこ〉と、山を囲み射撃をする射手〈いて〉のグループに分かれ、複数名で実施する。
巻き狩り当日の午前8時、猟友会代表者の案内で寝屋〈ねや〉(イノシシの寝床)を主体に空撮。3回の出動でイノシシ2頭の空撮に成功した。待機していた猟友会員らは同時録画される可視光カメラの映像で現場の状況を確認し、巻き狩りを実施した。
新潟県猟友会長岡支部の桑原一郎さん(71)は「巻き狩りでは、険しい山を数時間かけて登ってもイノシシを発見できないことが多い。居場所が先に分かれば成功率が高まり、会員の士気が上がる。猟友会は後継者不足が問題だが、若い人にもPRできる」と期待を寄せる。
同組合の山井重郎参事は「イノシシは作物だけでなく農地も荒らし、それが離農の原因にもなっている。市町村や猟友会と手を取り合い、地域の農業を守る取り組みにしたい」と意気込む。
(服部政宏)

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