NEWS & INFORMATION

ニュース

にいがた版 2020年5月1週号

アイメック®農法で高糖度トマト

株式会社トマーテ 新潟市

昨年完成したハウスでトマトを栽培している新潟市江南区の「株式会社トマーテ(代表取締役・轡田健二さん=49歳)」。コンクリート張りのハウスで「アイメック®農法」という栽培方法を導入し、高糖度・高品質なトマトを生産している。

(5-1)トップ「デスク」1

コンクリート張りのハウスでアイメ
ック®農法を用いてトマトを栽培

 (5-1)トップ「デスク」2

環境制御装置

同社では昨年8月に完成したハウスで、トマトの中玉品種「フルティカ」を栽培。一般的に糖度が8度を超えるとフルーツトマトと呼ばれるが、同社のトマトは高い時で12度以上の糖度を誇る。
当初から収益性の見込める施設栽培の方法を探していた轡田さん。県外へ視察に行くなど栽培方法を模索する中でアイメック®農法に出合った。
この農法では、苗の根の部分と養液の間にナノレベルの穴の開いた特殊なフィルムを敷き、根がフィルムの穴から養液だけ吸収する。適度なストレスをかけることで、甘いトマトを育てる技術。使用するフィルムは菌を通さないため、病気を防げることも魅力だ。
轡田さんは、コンクリート張りのハウスを導入し、培地を敷いた栽培ベッドを水平に保持。フィルムの上に薄く敷いた専用の培土にトマト苗を並べ、フィルムの下には水と液肥を流すという栽培方法を取っている。
「この栽培方法だと排水する必要がないので、水の量も少なくて済みます」とメリットを話す。使っている水は、雑菌などの混入物がなくpHが安定した水道水を利用している。
同社のハウスには温度、湿度、二酸化炭素(CO2)などを一括で設定できる環境制御装置を導入したことで「安定した栽培管理が可能となり、より細部にわたり徹底した環境で栽培できます」と話す。
湿度が下がると、ハウス内のミスト装置が湿度を調整。特殊なノズルで水滴にならず、病害が発生しにくいという。
現在、ハウス1棟10㌃で約3200株を栽培しており、年間8㌧の収穫を目指している。今後7月まで出荷し、植え替えを行う。
収穫したトマトは新潟市西区の「いっぺこーと」などに出荷する他、贈答用としても販売している。うま味が凝縮されて「他のトマトが食べられなくなった」とリピーターも多いという。
「今後は販売先を増やしていき、いずれはブランド化したいです。おいしいものを作りながら棟を増やして収穫量を上げていきたいですね」と意欲を見せる。

to_top