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にいがた版 2020年7月2週号

スマート農業で作業効率化
地域農業守る

田中ファーム 上越市

自動運転トラクターを昨年導入し、スマート農業の実現に向け、新たな一歩を踏み出した「田中産業株式会社(上越市土橋)」の農業部門「田中ファーム」。今年は自動運転トラクターを使って代かきを行い、大幅な作業の効率化につながった。

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自動運転トラクターの経路を微調整する田中さん

本年産の主食用水稲の作付面積が昨年より32㌶増加し、202㌶に達した同社。建設・運輸事業を展開する同社の従業員のうち、約10人が農業部門に携わるが、生産体制の安心が課題となっている。
「機械を積極的に導入し、少人数で効率良く仕事をしようというのが創業以来の社風です」と自動運転トラクター導入の理由を話す同社ゼネラルマネージャーの田中朗之さん(29)。スマート農業の実現は、農業部門の収益を安定的に上げるための具体的施策だという。
オペレーターは、トラクター専用に設計されたタブレット型端末で圃場や作業機、経路などを設定。作業中もこの端末で微調整を行う。圃場付近に設置された基地局が衛星から電波を受信し、トラクターに搭載されている移動局に位置情報が送信されることで、ずれが補正される。
オペレーターは一つの端末で、2台のトラクターを同時に操作することができ、通常のおよそ半分の時間で作業が終わる。一方で、安全センサーがはねた泥を感知して運転が停止することもあり「スムーズな運用には課題も見えてきた」と田中さんは話す。
同社では衛星画像を利用した水稲の発育度分析や、携帯端末により操作する水管理システムも導入。今後は田植機やコンバインも自動運転の導入を検討している。
「離農者が増えていますが、地域の水田を守っていきたいですね。農家の思いを次代につなげられるような存在でありたいです」と将来を見据える。
(金子晴貴)

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