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にいがた版 2020年9月2週号

経営支える収入保険
経営努力で避けられない減収を全て補償

2019年にスタートした収入保険は、農業収入全体に着目した保険制度です。天候不順による収穫量の減少や価格の低下だけでなく、新型コロナウイルスの影響による収入減少も補償します。「具体的にどのような場合に補償対象になるのか」という質問をよくいただきます。分かりやすく整理しましたので、ご覧ください。

補てん金額の例 基準収入が1000万円の場合(最大補償で加入)
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※保険料と事務費は50%、積立金は75%の国費補助があり、割安で加入することができます。
※掛け捨ての保険方式の補償80%と掛け捨てにならない積立方式の補償10%で加入。
 

 

収入保険は農業経営の安定を図り、新たなチャレンジに取り組む農業者を支えます。新型コロナウイルスの影響など、経営努力では避けられない収入減少は、全て補償の対象です。補償対象となる具体例を紹介します。

▼学校の休校や飲食店の営業自粛により、米や野菜など農作物の出荷が減少し、売り上げが大幅に減少した。
▼各種イベントの中止が重なり、予定していた花きの出荷ができなくなり、売り上げが減少した。
▼販売促進のイベント用に野菜や果樹を保管していたが、中止となり、大量の在庫を抱えることになった。市場出荷ではさばききれず、廃棄せざるを得なくなった。
▼直売所や観光農園を運営しているが、利用客が激減したため、売り上げが減少した。
▼従業員を休ませるなど、労働力を確保できず、計画通りの営農ができなかったため、収穫量が減少した。
▼出荷しても大幅な価格下落が見込まれるため、予定していた栽培を断念した。

【加入条件】
加入申請時に青色申告実績が1年分以上ある農業者(個人・法人)が加入できます。
【仕組み】
過去5年間の農作物の販売収入の平均を基本に、基準収入を設定します。最大補償で加入した場合、販売収入が基準収入の9割を下回った場合に、下回った額の9割が補てんされます。支払い事例は表の通りです。
【加入申し込み】
個人経営の場合、来年から加入するには、12月末までに加入申請する必要があります。詳しくは、お近くのNOSAIにお問い合わせください。

加入者の声

細貝 司さん 新潟市

(9-2)収入保険「デスク」取材
「農業は不安定なので、保険は必要
だと思いました」と細貝さん
 

細貝さんは、妻と息子夫妻の4人で、ダイコン3㌶、スイカ2.3㌶、水稲1㌶を栽培。2019年に収入保険に加入した。売り上げの多くを占めるスイカの価格変動が大きいという。
細貝さんは「豊作になったとしても、価格の低下が心配です。農業は栽培するのが上手だからといって、収入が安定するわけではありません」と話す。スイカの価格は、栽培時期と販売時期の気温や天候によって大きく変動する。
昨年、スイカの収穫量は悪くなかったが、7月の出荷時期に気温が上がらず、需要が落ち込んだ。それに伴い、価格が大きく低下し、収入が減少したため、保険金を受け取る対象となった。
細貝さんは、収入保険の情報を広報紙やNOSAI職員から集め、説明会にも足を運んだ。「保険料が高いとは思いましたが、制度内容を聞いて入っておこうと思いました」と話す。
「手塩にかけて育てた作物が、収穫間際に災害に遭うこともあります。農業は天候によるところが大きいので、難しいですね」と細貝さん。今年はスイカの授粉時の天候不良や長雨の影響で、収穫量が例年よりも少なく、売り上げが伸びなかったという。
「今後、さらに大きい収入減少があるかもしれないので、万が一のために加入しています。手続きをもう少し簡素化してもらえたら、もっと良い保険になると思います」と話す。

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