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にいがた版 2020年10月1週号

 経営多角化で地元の魅力を広める

土井 一心太さん 阿賀野市

「阿賀野市を盛り上げるコツを提案する」をコンセプトに、阿賀野市の土井一心太さん(38)は、7年前に「阿賀野屋」を立ち上げた。広告業を中心に、地域の特産を生かした商品の開発・販売や養鶏を行うなど、幅広く活動している。

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鶏(ボリスブラウン)の世話をする土井さん

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卵とオリジナル缶バッジ

神奈川県出身の土井さんが阿賀野市に移住してきたのは25歳の時。妻の里帰り出産時に、度々訪れた同市の環境の良さと農産物の素晴らしさに引かれ、移住を決意した。
移住してからは、新潟市の広告代理店で働いていた土井さん。その後「阿賀野市の魅力を多くの方に知ってもらいたい」と、前職を生かして起業し、オリジナルのグッズ製作や地元の食材を使用した商品の企画・販売を行ってきた。
「販売当初は、客層や商品単価などのデータがなかったため、売れ残ることが多々ありました」と苦い思い出を話す。その後は、イベントなどで物販する度に全てのデータを分析することで、売れ残ることが徐々になくなっていった。
そんな折、主力商品の材料である卵の生産農家の鶏舎が台風で破損。高齢だったこともあり、廃業の危機に立たされた養鶏の経営を土井さんが引き継ぎ、鶏約170羽の飼育を始めた。
鶏舎の修繕に経費がかかり、利益が見込めなくなったため、五頭山麓に土地を購入。鶏舎と平飼い用の柵を設置し、鶏を100羽に減らした。その結果、コストを減らしながら、利益率を上げることに成功した。
養鶏を引き継いだ頃、店への卸しがほとんどだったが、昨年10月ごろに個人宅への宅配も開始した。顧客は口コミで増え、現在は7割強が個人客だ。今後はホームページを立ち上げ、卵の他、企業とコラボした商品などをネット販売していきたいと計画している。
しかし、養鶏が本業ではないという土井さん。広告の仕事も請け負い、常に複数の仕事を掛け持ちすることで、危険分散が図れて、安定した収入を確保できるという。「これからも阿賀野市の魅力を発信し続け、観光につなげる提案をしていきたいです」と抱負を話す。
(松川周子)

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