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にいがた版 2020年12月1週号

牛の行動を端末で確認 発情兆候を把握、疾病早期発見

阿賀野市

阿賀野市六野瀬地区で酪農を経営している「有限会社あじさい野牧場(神田哲夫取締役=60歳、従業員12人、乳用牛約300頭)」は、牛の行動をリアルタイムで把握できる「U-motion〓(ユーモーション)」を導入。牛の発情兆候の把握や疾病の早期発見につなげている。阿賀野市六野瀬地区で酪農を経営している「有限会社あじさい野牧場(神田哲夫取締役=60歳、従業員12人、乳用牛約300頭)」は、牛の行動をリアルタイムで把握できる「U-motion〓(ユーモーション)」を導入。牛の発情兆候の把握や疾病の早期発見につなげている。

(12-1)トップ「菊池柚衣」1 頭の上のケーブルが気になるので消してほしい

U-motion〓を首に装着した搾乳牛

U-motion〓とは「採食・飲水・反芻(はんすう)・動態・横臥(おうが)・起立」などの牛の主要な行動を記録するセンサーシステム。センサーを内蔵する機器を牛の首に装着することで24時間観察が可能だ。
昨年7月、県内で初めて同社が導入した。現在は、搾乳牛全頭(約220頭)と未経産牛(これから搾乳するために育てている後継牛)数頭に装着している。
集めた行動データを使って、人工知能(AI)が体調不良・発情兆候・起立困難などの牛の異変を自動で検知。事務所のパソコンや従業員のスマートフォンなどのモバイル端末からいつでも確認でき、アラートで表示される。
データ管理を行う従業員の神田隆さん(40)は「最初に最終分娩(ぶんべん)日や人工授精日、治療歴、使用した薬のデータを個体ごとに全て入れるのが大変でした。でも、データを蓄積して、一頭一頭の行動・状態を可視化できるようになったのは良かったです」と話す。
U-motion〓を装着するメリットは、確実に発情をアラートで知らせてくれることだ。各自作業をしながら、各個体を24時間、目視で確認し続けるのは難しいが、アラートで示された牛を注視することで、良い発情を把握しやすくなる。加えて、採食量や歩数を1頭ごとに見られるため、疾病の早期発見率が上がったという。放置すると生死に関わり重症化しやすい病気に対しても、早めの対応がとれる。
神田取締役は「高機能だからこそ、頼りすぎてはいけないのかもしれないね」と危惧する。「目視でないと分からないことが多い。だからU-motion〓に頼るのではなく、蓄積したデータと人の目を合わせることで、経営の強化につなげていきたい」と目標を話す。
※〓は、○の中にR
(菊池柚衣)

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