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にいがた版 2022年6月3週号

V溝乾田直播栽培の研修会――春作業の省力化へ

新潟市

 水稲の作付面積を増やし、規模拡大を図る農業者にとって、農作業の労力軽減が重要な課題となっている。そんな中、春作業の負担軽減を目的に「V溝乾田直播栽培研修会」が新潟市内で開催され、大規模稲作経営体やJAなどの農業関係機関を中心に約50人が参加した。

V溝乾田直播栽培の圃場を見ながら説明に聞き入る参加者

 研修会は、新潟地域農業振興協議会新潟西部支部および新潟地域振興局巻農業振興部の主催で、西蒲区の圃場で行われた。
 「春作業の省力化は、さらなる面積の拡大につながります」と巻農業普及指導センター普及課の小熊英男技術専門員は話す。
 V溝乾田直播栽培は、前年秋の収穫後から積雪前までに雨水や排水溝からポンプアップした水を利用して耕起・代かきを行い、その後、落水する。
 4月の上旬から中旬にかけて専用播種機を使用して乾いた状態の田に播種・施肥し、発芽後の5月下旬から湛水(たんすい)状態にして水管理を行う。雑草防除は出芽前、出芽後湛水前、湛水後の3回の体系処理が必要となるが、最も作業時間のかかる耕起・代かき作業を前年秋に行うことで、農作業を分散させ、春作業の負担軽減および水稲作付面積の拡大につながるのが利点だ。
 ▼10㌃約10分で播種
 さらに作業性にも優れ、乾田は地耐力が高いため高速での機械作業が可能で、大規模圃場での播種作業は10㌃当たり約10分で完了。また、播種時期に幅があることも柔軟な作業計画の作成に役立つ。
 2021年度の実証圃での調査データでは、60㌔当たりの全算入生産費は種苗費・肥料費・農薬費が増加したが、減価償却費と労務費の低下によりトータルで移植対比15%のコスト削減。10㌃当たり労働時間は主に育苗、田植え、耕起、整地で短縮され、移植対比17%の削減効果が確認されている。
 「これが必ずしも一番良い方法というわけではありません。湛水直播栽培と乾田直播栽培の、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分の経営に合ったものを選択していただきたいです」と小熊技術専門員。「法人を中心に水稲栽培面積の規模拡大が進んでいる中、こうした技術の導入でさらなる規模拡大の助けになればいいですね」と話す。

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