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にいがた版 2022年8月3週号

水稲・ブドウ 労力軽減、コスト削減へ工夫

佐渡市

 「『農業は大変』が両親の口癖。農家を継ぐ息子が心配だったのでしょう」と笑う佐渡市栗野江の細野真二さん(62)。水稲9㌶、ブドウ「シャインマスカット」20㌃を栽培する。水稲苗の販売も行う細野さんは、先を見据えた営農計画を描きながら、労力軽減やコスト削減などに取り組む。

経営計画を短期、中期、長期に分けて考える細野さん

 東京で長年働いていた細野さんは、両親から佐渡の実家を継いでほしいといわれ、佐渡で継続してできる仕事として農業を選択。2012年に就農した。「第一に考えたのは『大変』を取り除くことでした」と話す。
 両親がこれまで行ってきた農作業の工程を見直し、改善点を考え「ポット育苗から苗箱育苗に切り替えて労力軽減を図りました。また、柔らかく深い田んぼの田植えや稲刈りに時間がかかり過ぎていると感じ、中干しなどの水管理を徹底し、春の耕起を乾田で行うなどして耕地改善に取り組みました」と振り返る。
 また、圃場ごとの苗箱や農薬、肥料の使用量をパソコンでデータ管理し、蓄積したデータを活用してコスト削減に取り組んでいる。
 さらに、水稲単作の経営リスクを考え、就農時から育苗ハウスを活用してシャインマスカットの栽培も行う。ブドウの栽培技術は地域の農家や普及センターに指導を受けたり、ブドウ農家が投稿しているインターネット動画を見て、房づくりの工程で行う花穂奇形果の切除方法も参考にしたりしている。
 「水稲が『動』ならシャインマスカットは『静』。水稲の仕事は農業機械を扱うことが多く、エンジン音の中で効率よく爽快に作業できることが魅力です。対してシャインマスカットの管理は手作業が多く、鳥のさえずりの中で静かにリフレッシュして仕事ができます」と話し、楽しく農作業を行うことも忘れない。
 細野さんは自らの農業経営計画を短期(3年)、中期(5年)、長期(10年)に分けて考える。短期計画は機械メンテナンス技術を向上させて、修理費などのコストカットをすること。中期では地域農業を活性化するための手助けをしていくこと。長期では自分が離農できる環境をつくっていくことだという。
 「離農というと寂しいイメージもありますが、私は農業経営のゴールだと前向きに考えます。体が元気なうちに、家族や周りの人たちに迷惑をかけずにゴールを迎えたいですね」と笑顔で話す。

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