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にいがた版 2022年9月3週号

デザイナー兼農家 物作りの価値を発信

 デザイナーとして働きながら家族で稲作経営を行う長岡市の兼業農家「稲作まる山」の丸山昌幸(まさゆき)さん(39)、永(はるか)さん(39)夫妻。「農」を自分たちのオリジナリティーとして打ち出し、食べ物を作ることの豊かさや価値をネット通販や交流サイト(SNS)を通じて発信している。

丸山家の愛猫をあしらったロゴのパッケージを手に昌幸さんと永さん。2022年産米の予約販売受け付け中。永さんが着ているロゴTシャツもウェブサイトで販売している
自宅の農作業場をリノベーションしたオフィス。大梁や照明には作業場の面影がそのまま

 

 丸山さん方では水稲約7㌶を栽培。うち一部を、稲作まる山の米として販売している。農薬・化学肥料5割低減の特別栽培を実施し、2020年の「長岡うまい米コンテスト」では1品種が上位20人に選ばれ「金匠」を受賞した。
 昌幸さんの父・政俊さん(72)が作った米をコンテストに出品したのは、永さんのアイデアだ。「うちのお米を食べた友人の間でも食味がいいと評判でした。義父が手間暇かけて育てているお米ですから、賞という見える形で評価されてうれしかったですね」と話す。
 デザイナーとして地元企業の自社ブランド立ち上げに携わったり、製品やパンフレットなどのデザイン、時には店舗ディスプレーの手伝いをしたりすることもあるという二人。商品のオリジナリティーや価値・魅力を、誰の目から見ても分かりやすく伝えるデザインを心掛けている。
 「農産物も同じだと思います。誰が、どこで、どんな作業工程を経て作っているのか、買う人にも伝わるよう気を配っています。食べる人と作る人がつながる『コメニケーション』が合言葉ですね」とほほ笑む昌幸さん。作る人と買う人が互いに顔を知っていれば、それが互いの安心や信頼になり、作る側のモチベーションにもなる。
 「地方で半農半デザイナーの暮らしをSNSなどで発信し、たくさんの人に見てもらいたい」と話す丸山さん夫妻。売り上げを伸ばすことはもちろんだが、自分たちの手で食べ物を作って生きていく暮らしの豊かさを発信したいという。
 「米価の低迷もあり、後継者不足による離農も増えている時代です。私たちのような暮らし方が、小さな兼業農家が残っていくための選択肢の一つになれば」と思いを話す。

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