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自社産「コシヒカリ」の玄米粉でバウムクーヘン(2023年4月1週号)

 新潟市西区木場の「株式会社青木農場(代表取締役・青木弘さん=64歳)は、水稲12㌶、エダマメ5㌶を作付ける一方、加工品作りにも力を入れている。今年からは自社栽培の玄米粉を使った新商品「バウムクーヘン」を製造販売している。

「玄米粉ならではのもっちりとした食感は口当たりが良いです」と青木さん
バウムクーヘンは何層も重ねて焼く
ソフトバウム

 「次の世代にバトンタッチできるよう、安定した経営ができる農業を目指したい」と話す青木さん。同社では餅の生産加工を55年にわたり行っていたが、2019年に加工場を建て替えたことをきっかけに「おこわ」や「玄米粉焼きドーナツ」など冷凍商品の開発に着手した。

 コロナ禍での米の価格下落を補い、農閑期のさらなる収入確保を目指して加工品に注力。その結果、生み出されたのが新商品のバウムクーヘンだ。食用米の消費量が落ちる中、菓子での需要に目をつけた。

 新商品として選んだのは、6年前に米粉を使ったバウムクーヘンを展示会で見かけたのがきっかけ。

 米粉は小麦粉ほど膨らまないため、パンやケーキには不向きだが、バウムクーヘンは何層も重ねて焼くため、欠点がカバーできる。米粉のしっとり感を生かせることに魅力を感じ、昨年末に機械を導入した。

 「米粉は粒子が細かく生地が柔らかいので、最初は芯棒に生地がうまく付かず大変でした」と苦労を話す。

 バウムクーヘンに使用する材料も重視。多収米などで作られた一般的な米粉ではなく、自社産「コシヒカリ」の玄米粉を使用する。また、卵も新潟県産。砂糖は沖縄県のきび砂糖を使用している。

 コシヒカリの玄米粉は、米の特徴と同様に粘りや甘み、しっとり感が強いのが特徴だ。「おいしくて、さらには体に良いものをと思い、製粉するのが大変ですが、栄養価の高い玄米粉にしました。玄米粉のグルテンフリー製品は全国的にも珍しいと思います」と青木さんは話す。

 安定した農業経営を続けていくことが農業の衰退や後継者不足の改善につながると考え、加工品を始めたというが「こだわって作っているので、ギフトや自分へのご褒美として食べてほしい。今後はミニバウムなど気軽に試しやすい商品にも取り組みたい」と意欲的だ。

 商品はソフトバウム、黒埼茶豆バウム、ハードバウムの3種類。生協や青木農場のサイトなどで販売中。

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