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複合経営 棚田を維持し山間地の営農モデルに(2023年4月3週号)

 「棚田や地域の農業を守っていくために、自分がモデルケースとなり、新規就農者を支援していきたい」と力強く話す齋藤一良さん(70)。山間地に位置する十日町市松代地域の農業維持のため、水稲と畑作の複合経営を実践し、棚田の維持に貢献している。

ネギの育苗管理をする齋藤さん夫妻
ハウスに並べられたネギの苗

 水稲110.6㌃、ネギやカボチャなどの野菜42.4㌃を栽培する齋藤さん。市役所を定年退職後に、耕作面積を増やして専業農家になった。当初は水稲単作の経営。稲刈り作業は地元の生産組合に依頼しており、時間に余裕があったことや、天水田圃場の一部で水が足りず、水稲栽培ができない圃場があったことから、複合経営を考えるようになった。

 「松代地域は棚田が有名ですが、守り手が年々いなくなっています。移住者を迎えるなど、新規就農者を増やし、棚田を維持していきたい」と話す齋藤さん。

 同地域では、農家の高齢化が進み離農者が増え、耕作放棄地が広がっている。そこで、圃場の有効活用を考え畑作栽培に取り組んだ。「水稲単作では経営が厳しいです。複合経営に取り組み、収入を得られることを示せれば、就農の後押しになれるのでは」と話す。

 栽培作物は、標高が高く涼しい地域に適しているネギとカボチャを選定した。ネギは獣害に遭いにくく、植え付けた近くまでイノシシが来ていた跡はあったが被害には遭わずに済み、近くに植え付けていた稲も無事だった。

 「電気柵を一部で設置し、ラジオを流すなどの獣害対策を行ったこともありますが、獣が嫌う作物を植えることで、対策にかかる費用や労力の軽減にもつながります」と齋藤さん。

 「今後は、ネギを中心に面積の拡大と、省力化を目指したい。そのために、仲間との情報交換を積極的に行い、山間地での複合経営ノウハウを残していきたいです」と意欲的だ。

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