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3集落の組織が一つに 防除にドローン導入(2023年9月3週号)

「ドローン(小型無人機)での防除で、地域農家の負担軽減が実現した」と話す天水・藤倉防除組合代表・高橋一行さん(73)。2023年に十日町市松之山地区の天水島、天水越、藤倉3集落の防除組合が合併し、ドローンを導入した。山間地域での作業効率化や経費削減に向けた取り組みに注目が集まっている。

「防除組合が一つになったメリットを生かし、農地を守っていきたい」と話す高橋さん

 3集落で水稲病害虫防除を実施している圃場の大部分は、NOSAI新潟魚沼支所主体の無人ヘリコプターで散布しているが、散布条件が悪い圃場や、山間地の防除適期が合わない圃場は、集落ごとに防除組合を立ち上げて、セット動噴で散布を行ってきた。しかし、高齢化や担い手不足によってセット動噴での散布が困難な状況で、問題となっていた。また、圃場も3集落の耕作者が入り組んでいるために、防除経費の精算事務が煩雑だったという。

 そこで、3集落で協議し、一つの防除組合を立ち上げ、ドローンを導入した。「ドローンで散布する圃場は、周りが林で囲まれていたり、高低差があったりするものが多く、大型のものだと効率が悪い。そのため、小型のものを選択した」と高橋さんは話す。

 ドローンでの散布面積は10.5㌶ほどだったが、構成員で免許を取得した4人のうち2人が兼業農家のため、散布作業は日の出から出勤前までで、計画通りの散布ができず課題が残った。「初めての導入で問題点も多くありました。次年度は効率の良いルート飛行と、操作技術を磨きたい」と高橋さん。

 今後はオペレーターの人数を確保するとともに、組合内の全圃場の防除や肥料散布なども視野に入れ、労力軽減、経費削減に向けて取り組む。

 「地域を超えて組織化し協力することで、高齢化や担い手不足など山間地域が抱える問題を解決し、大切な農地を減らさず守っていきたい」と高橋さんは話す。

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