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イタリア野菜で地域振興へ(2023年11月1週号)

胎内市では、2022年4月に農業者、新潟食料農業大学、JA、市役所が連携して「たいない特産品研究会」を立ち上げた。同会では生産者の収益向上や、地域振興につながる同市の特産品開発を目的として、イタリア野菜の生産に挑戦している。

新潟食料農業大学の学生たちによるカラーニンジンの収穫作業
直売所で販売される野菜

 同会発足のきっかけは、新規作物の発掘や担い手の確保を求めていた同市と、学生の「学びのフィールド」や「研究テーマの確保」を求めた大学とのマッチングだった。さらに生産者や関係団体を呼び込んで、同市の活性化や同市農業のPRをコンセプトに、相互が連携して取り組むことになった。

 22年の試験栽培に取り組んだ農業者は5人で10品目だったのに対し、23年には10人、27品目にまで拡大した。

 農家は作りたい野菜を選定し、種子代金や作付面積に応じた栽培協力金という形でサポートする。

 血圧の降下や冷え症の予防などの効果がある根菜のビーツや、イタリアントマトなど品目は多岐にわたる。「どれだけ栄養価が高く、健康に良いとされても、手に取って食べてもらえなければ意味がありません」と話す同市役所の担当・大矢大さん。

 収穫した野菜は産地直売所で販売されるほか、同市内の飲食店に提供されている。消費者が分かりやすいようにPOP(店内広告)を作成したり、商工会を通じて同市内の飲食店とタイアップして食べ方の提案をする調理会を実施したりするなど、消費拡大の工夫を凝らす。

 「旬の時期以外にも野菜を楽しんでもらおうと、イタリアントマトの加工にも力を入れています」と話す。

 11月4日(土)に胎内スキー場で開催されるイベント「山あいのちいさなお祭り」でドライトマトを使用したマフィンを販売する予定だ。

 「農家の所得向上につながるような取り組みにしなければなりません。現在、試験的に27品目栽培していますが、生産から加工、販売まで一貫して行い、その中で最終的に一つでも多くの品種が特産品として根付くのが目標ですね」と大矢さんは力を込める。

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