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シャインマスカット 出荷時期工夫し収入安定へ(2023年11月3週号)

「質の良いブドウ『シャインマスカット』を消費者に届けたい」と話すのは、三条市代官島の石黒貴之さん(44)。国内市場では、一部に安価で販売されているものが見受けられる中、石黒さんが所属する組合内ではシャインマスカットの単価が暴落しないように、JAや組合内で話し合いを行い、出荷時期などを工夫して収入の安定を図っている。

「高品質のブドウを育てるには、土壌管理が重要です」と話す石黒さん
石黒さんが栽培するシャインマスカット

 石黒さんは水稲3㌶のほか、ナシ1㌶、ブドウ90㌃を栽培している。「ブドウ栽培では、土壌管理に一番気を使っています」と話す。

 土壌分析を行って、養分バランスを考えながら堆肥を施用し、加温施設や雨よけ施設などの施設内環境を変え、栽培時期をずらしてリスク対策を講じている。

 シャインマスカットは日本で育成され、ブドウの中では比較的高値で取引される品種だが、2021年4月の改正種苗法により、農作物の新品種に海外への持ち出し制限が付けられるようになった。

 シャインマスカットは改正前に中国や東南アジアなどに流出し、輸出や国内市場への影響が懸念されている。「海外に流出し、粗悪品も見受けられるので、とても悲しい。そのような市場は、ブドウ農家の出荷や売り上げに大きく影響します」と石黒さんは吐露する。

 また、近年では国内でも一部の地域で規格外や、それに近いものが非常に安価で販売されていることがあり、単価の変動なども心配する。

 今では、さまざまな品種が増えている中で、シャインマスカットが親となる新品種も増えている。石黒さんは「品種によっては、栽培が難しいものもあります。そのようなものがブドウ市場ににぎわいをもたらしてくれると良い」と展望を話す。

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