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スマート農業 誰でも手軽に(2024年2月3週号)

 ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して農業の省力化・高品質生産を可能にするスマート農業が注目を集め、農業機器の普及が進んでいる。2022年9月「気軽に」「手軽に」スマート農業機器を体験できる拠点「スマートアグリ長岡」が、長岡市栖吉町「農の駅あぐらって長岡(ふるさと農業体験センター)」内にオープン。スマート農業機器の普及拡大に期待が高まっている。

次世代園芸施設の概要を説明する野中取締役(中央)と大竹主任(左)
無線操縦草刈機などの農業機器体験が可能

 スマートアグリ長岡には、スマート農業機器に関心のある農業者だけでなく、学生や児童など農業に興味のある人なら誰でも体験イベントや研修会に参加が可能だ。

 スマート農業機器の使い方や情報を無料でレクチャーしており、農薬や肥料を散布する小型無人機(ドローン)や無線操縦草刈機の操縦をはじめ、後付けの自動操舵〈そうだ〉システムを装着したトラクターの試乗、農作業中の腰への負担を軽減するアシストスーツの試着など、話題のスマート農業機器を「見て」「触れて」実際に「体験」できる。

 ▼価格、作業性など知って導入しやすく

 市からの委託を受けスマートアグリ長岡を運営する「株式会社ひとつぶ」の野中大輔取締役は「農業者がスマート農業機器を導入する際、価格や作業性などを事前に把握することで導入のハードルを下げることができる」と話す。

 また、拠点内にはICTを活用した次世代園芸施設によるトマト生産の見学が可能。土を使わずに農薬使用量を減らせるフィルム農法で、水と肥料は自動で混合・給水されるほか、温度や照度、二酸化炭素(CO2)濃度の変化に合わせて、蓄積された生産データに基づき制御される。

 技術や能力、知識をデータが補うことで、経験の少ない女性農業者でも安定的に高品質なトマトを生産することができる。長岡市農林水産部の大竹聡史主任は「長岡市内の米農家や農業法人に冬場の安定した収入源として普及してほしい。施設内は農業の現場とは思えないほど清潔感があり、温度も安定しているので、女性農業者にも評判がいい。農業のイメージアップ、新規就農者の増加につながれば」と期待を寄せる。

 

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