直営おにぎり店で消費拡大へ(2025年4月4週号)
新潟県十日町市・山田和志さん(50)
プラウ株式会社代表取締役▼水稲30㌶▼収入保険、農機具共済、建物共済に加入

8年前に起業し、現在は山間地を中心に、水稲30㌶を作付けしています。首都圏の飲食店やホテルなどへの直接販売にも力を入れています。
元々、市役所の職員で、情報システム関係を担当しており、農業とは無縁でした。県庁へ出向した際、IT企業の方と話す機会があり、起業についてとても刺激を受けました。その後、農業をしたいと話していた友人と一緒に起業し、農業の道へ進むことに決めました。
山間部の耕地が多く、山間部と平場では同じコストで耕作できないため、収益をどう確保するかが課題でした。経営についての勉強会へ積極的に参加し、ブランディングが必要だということが分かりました。山間地といわれる中でも標高の高い場所で栽培していたため、それを生かして、創業2年目に「頂米〈いただきまい〉」と名付けて販売し、ホームページ(HP)での通信販売も始めました。
販売チャンネルを増やすことで収入減のリスクを分散できると考え、昨年の8月に頂米を使用したテイクアウト専門のおにぎり屋「米の駅」をオープンし、さらなる米の消費拡大を試みています。
高齢化などによる離農が進んでおり、4年ほど前に農事組合法人が解散し、耕作地を一手に引き受けたこともあります。面積が3倍にもなり、とても苦労しましたが、その経験を生かし、今後も耕作放棄地を出さないよう地域に貢献していきたいです。