キュウリ、ナスなど野菜/多品目で危険分散(2025年7月3週号)
「危険分散のために野菜を多品目栽培していますが、季節ごとにいろんな野菜を収穫できるので楽しいですね」と話すのは、長岡市下山の「有限会社タナカファーム」の田中佑一(たなかゆういち)取締役(38)。同社は野菜2㌶と水稲2㌶を栽培する。野菜はキュウリ、ナス、エダマメ、ジャガイモなど多品目を扱う。収穫した野菜は漬物などに加工し、販売にも取り組む。

田中さんは農家に生まれ育ったが、以前は料理人、営業職と農業とは異なる仕事に就いていた。2年半前に父が一時的に体調を崩したことをきっかけに「農業は一年に一度のもの。やるなら早い方がいい。教えてもらえるうちに始めたい」と就農を決意。現在も父に指導を受けながら日々の農作業に励む。
やりがいを感じるのは、出荷先で並べた商品が消費者の手に取られる瞬間だ。「待っていたよ」と声をかけられることもあるという。野菜や加工品には同社のシールが貼られており「うちの名前で選んでくれたら、うれしいですね」と話す。
将来的には、直売所の開設を目指す。そのためには会社の認知度やブランド力の向上が必要だと考え、インターネット販売の活用も視野に入れる。今後は、売り上げが落ち込みやすい春と秋にも収穫が見込める野菜の栽培にも挑戦し、生産量を増やしていく予定だ。
「接客が好きなので、お客さんと直接やり取りしながら販売できたら、もっと楽しいですね」と話す。